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2005/03/17

過去ログ20~22

まずは20から。
008:鞄 M.東矢様
 月夜には空とぶ鞄も見えつらむアンデルセンに抱かれし頃
アンデルセンというのが効いています。

097:静 謎野髭男様
 コルボ振る慈愛静けさ鎮魂のフォーレを聴きて心満ちたる
静かなやさしい音楽が聞こえてきそう。発句が佳いです。

012:メガホン 落合朱美様
 早春の訪れ告げむと黄水仙小さきメガホンつんともたげて
ああ、そうだ。水仙のつぼみってそんな感じですよね。歌として拝読し
改めて感動しました。

続きまして21
052:螺旋 行方祐美様
 今朝の香となるのか林檎ゆるやかな皮の螺旋をつづけるかぎり
倒置がとても効果的。そのままでもお歌の形としてはできあがっていますが、
最初に林檎を持ってきたことで、後半の印象が強まります。

002:色 きじとら猫様
 誇り高き金色(こんじき)の眼の野良猫よ鎧の柄はぞうきんなれど
野良猫の少し凝り固まったような毛並みを「鎧」「ぞうきん」と呼びつつ、それが却って
誇り高い目線を効果的にしていると感じます。

そして22
088:食 船坂圭之介様
 かすみゆく砂塵の中に隻腕の少女それのみ食(は)むパンの耳
090:薔薇 船坂圭之介様
 春雷のはしり抜けゆく薄暮れに薔薇は首(かうべ)を挙げしまま朽ち
船坂様の拾い上げる題材は、弱きもの、儚きものが多く、それが雰囲気によく似合う。
本当に厳選しての2首でした。

006:時 星川孝様
 還らざる時のはざまにふりしきる枯葉も雨もかすれたるまま
文字で拝読する以上、仮名の配分が上手なお歌には強く惹かれます。
「はざまにふりしきる」総て平仮名のところが、結句に馴染む。


今日も少ないですね~
私の歌があちらこちらに挟まっているのが、邪魔。
とはいえログだから、投稿している以上邪魔でも出てくるし。
今日は1首ぐらい詠みたい気持ちです。

マラソンとは無関係で。
 シャガールの青うつくしくピカソなら青は哀しく同胞なれど
昨日もちらっと書いたんですけれど、私自身がここで選歌させて頂いているお歌は
それぞれ詠まれている方も違いますし、当然皆さんの歌歴、環境など皆違います。
選んでいないお歌もあるわけですが、決してそれはそのお歌が下手だというのではなく
単に私の好みに当てはまらなかったということです。
気に入らない=下手、というのは乱暴な話で、ならば例えば、
ミレーは好きだから上手、ゴッホは嫌いだから下手とは誰も言わないと思うのです。
それは勿論、両者が巨匠である背景もありましょうが、
ミレーが初めて絵筆を握った瞬間から「落ち穂拾い」を描けたわけではなく
その裏には多くの習作、デッサンが存在するわけです。

デッサンを拒み、習作を拒んで、果たして名画は完成したでしょうか。
答えは「否」だと私は考えております。
題詠マラソンという場で、「せっかくだから、ここでデッサンの勉強をしよう」
「ここで少し他の方の作品に触れ、習作してみよう」と考えている方もおられるわけで
それを一蹴するような真似だけは、私は、したくない。
たどたどしくても瑞々しさが好きなお歌もあります。
技巧的であっても琴線に触れないお歌もあります。

私がこんな偉そうなことを言える立場ではないのですが、
どうか現在走っている皆様には、それぞれ心地よい達成感を得て頂きたいと
心から願うばかりです。

トラックバックしてくださったりコメントを下さった皆様、
本当にありがとうございます。

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コメント

ベティさん

コルボ振る慈愛静けさ鎮魂のフォーレを聴きて心満ちたる

また「たどたどしくても瑞々しさが好きなお歌」の仲間入りをさせていただいたものと、感謝します。
ベティさんのようなサイトの存在が、僕のような初心者にはどれほどありがたいか。
フォーレのレクイエムはもともと好きですが、その中でもミシェル・コルボの演奏が僕には一番心に染み入ります。久しぶりに病から復活して来日したコルボの演奏会を聴いて、詠みました。
好きな音楽を歌に詠むことで、いっそう深く心に刻まれるような気がしています。

投稿: 謎野髭男 | 2005/03/18 16:07

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