« 2005年3月 | トップページ | 2005年5月 »

2005年4月

2005/04/28

過去ログ58

082:罠 丹羽まゆみ様
 くちびるが愚かな本音告げる夜は罠となりたり優しささえも
この辺の流れが好きで、2首採らせて頂きました。下のお歌と併せて
吟味すると、一段と味わいが増すように感じます。
085:胸騒ぎ 丹羽まゆみ様
 いつになく感謝ばかりを口にする君へ感じていた胸騒ぎ
2首の間に当然あと2首あるのですが、散りばめられた場面の中から
作者独自の世界の繋がりを感じられると、場面の鮮度が増してくる。
アルバムに貼られた写真を見ながら撮影順を考えるようなものかも。
こういう世界を創れる方のお歌は歌集でも読み応えがありそうです。

006:時 椎名時慈様
 7時には慌てて帰る革靴のパパシンデレラ火照りを残し
パパシンデレラが、いい。革靴のパパ・シンデレラと切ってしまうよりも、
私の辞書の中にこのような言葉が生まれたという感じです。
横書きの特性を上手に利用したきれいな流れでした。

082:罠 かすいまこと様
 戻れない・・・君の優しい微笑みが 危険な罠と知ってはいても
発句の後のためらい部分がいいです。スペースあけより、こっちの方が
より切実な心情の流れとして伝わる感じ。

097:静  やそおとめ様
 ソリテュード「積極的な孤独」の似合ふ花一人静は群れてもひとり
このログで完走ですね。おめでとうございます。しかし、まいったなあ。
一人静は私も考えていた素材だったのですが、こうもお上手に料理されてしまうと
別の素材を探したくなってしまう。並べたときに競えないもの。
曲名が字余りなのが、またいい味出してるなあ、と思います。

011:都 林 ゆみ様
 約束は君の都合で決められて君の都合で破られたまま
こういう離れ方をした人とは、なかなか再会できないんですよね。
しかも相手に罪悪感はなかったりして。淡々と詠んでいる分切ないです。

017:陸 K.Aiko様
 泣きながら加速していく滑走路 傷みを蹴って離陸せよ 我
痛み、ではなく傷みなところが、誰かに傷付けられた自分の檻からの
価値ある離陸を感じさせます。そのためには、たくさん泣いていい。
泣けなくなったとき、それは、感情が麻痺してしまったとき、です。
今の私みたいに、ね。


今日は自作もおやすみ。明日急なお客様なので、ちょっと慌ただしい。
とりあえず人間がふたりいられるスペースを確保し掃除機をかけたら
家がドッグランになってしまった。明日再度掃除機かける時間、あるかなあ。
来客につき更新がちょっと遅れると思います。

もうすぐ私のXデーが巡ってきます。
まだ、殻は固いようです。なかなか外へ飛び出せません。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005/04/25

過去ログ57

075:続 丹羽まゆみ様
 留守電の君は己の死を知らずわずかな留守を伝え続ける
淡々としていながら、内容は衝撃的です。言葉を選び抜いたのがよくわかります。
遺影よりもその声の方が、より切ないもの。

085:胸騒ぎ やそおとめ様
仙人掌(さぼてん)の棘を秘めもつ胸騒ぎわかれしのちの死を伝へあふ
サボテンには感情(というと、ちょっと違うのかな)があるらしく、人間の意志を察するとか。
その辺をうまく取り込んだお歌だと思います。
090:薔薇 やそおとめ様
 「 薔薇抱いて湯に沈む」男(を)は似合はねばきつと諸手にをんなをだいて
今日は2首採らせて頂きました。好みとしては、やっぱりこっち。仮名遣いもいい感じ。
ただ結句、「抱いて」が漢字の方が読みやすいかも。勝手な意見でごめんなさいね。

011:都 佐藤理江様
 重大な予定不履行あと間近首都高速を降り損なつて
ありゃ、それは大変。私もよく(?)やりますが・・・
高速道路もどきのへんてこな道路がありまして、一定区間は、
降りられる場所が決まっているのです。通り越すと次まで進め、になる。
すごろくじゃないんだからさあ・・・と思いつつ、通り過ぎちゃう。

036:探偵  落合朱美様
 ひたすらに隠した焼き菓子探しだす探偵ポチの嗅覚冴えて
焼き菓子とポチ、2首めの採用です。一連で読むと、ポチ、ばればれなんだもん。
それでも罪を被るおとうさんって・・・温かい家族だなあ。

034:背中 すずめ様
 止まり木にひとり手酌の寡黙な背中つい絆されてふたり酒
かなり破調なんだけど、無理に字合わせしていないところがいい味出してます。
文字数だけでいえば確かに31なのですが、句切れがないお歌は賭けですね。
私がこのお歌を詠むときっと
 止まり木にひとり手酌の寡黙な背つい絆されて注ぐふたり酒
こんな風に無理に字数あわせしちゃいそう。これじゃあ味わいが変わってしまう。
大胆な賭けが吉と出ました。

013:焦 睡蓮。様
 匂いたちやがて日射しに焦げ朽ちる恋心とはくちなしの花
くちなしは、咲き終えるときほんとうに焦げたかのような褐色になってしまう。
その辺を「朽ちる」「くちなし」と上手に掛け合わせていると思います。

033:魚 M.東矢様
 声持たぬ魚の哀しみ声持たぬ蝶に伝ふる術を知りたし
優しい目線のファンタジー。魚と蝶というとりあわせも新鮮に感じます。
鳥じゃあ食われてしまいそうだし・・・ね。


今日はここまで。だんだん自分のゴールも近付いてきまして、
ログをぐんぐん進めていくと、ストップしちゃいそうだから。
昨年のようなぎりぎりゴールでゆっくり・・・と思っていたのが
気付いたら30㎞以上走っていますね。
中には「お前もっと推敲してから出せよ」と自分で突っ込みたいものもありますが
反省もまた、修業のうち???ということで・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/04/24

過去ログ56

003:つぼみ 青山みのり様
 降りそうで降らぬ空には数多なる水のつぼみの眠りおりたり
つぼみを比喩として捉える歌の中では、素晴らしいと思います。
水滴を「水のつぼみ」という感性も、さらっとした言葉の流れも好き。

097:静 畠山 拓郎様
 静かなる場所を求めて漂いぬ愛郷無限富山市岩瀬
具体的地名を出すのは、吉と出るか凶と出るか難しいところですが、
このお歌の「愛郷」のひとことが、地名を生き生きさせています。
きっと心休まる故郷なのでしょう。ここが故郷という地を持たぬ私には
羨ましくも温かなお歌でした。

023:うさぎ ジテンふみお様
 白い白い ほっとみるくのすぷーんで月のうさぎをかきまぜる朝
正直なところ、これ以上月のウサギが出てきたらマフラーにでもしてやろうと
思うほどよく出てくるのですが、このお歌は心惹かれました。
前半が効いている。特に「ほっとみるくのすぷーん」が平仮名なところがいい。

046:泥 中村悦子様
 咲いた夏 蓮 泥濘に生きている 短夜 黄色いカーテンゆれる
57577以外の場所でスペースをとるのは、よほど完成されていないと難しい。
このお歌は見事なバランスで構成されていると思います。特に、色そのものは
「黄色」しか出ていないのですが、一首の中に込められた色彩感覚が抜群です。

033:魚 愛観様
 君という海に恋した淡水魚だからそこでは生きられないの
淡々とした口調がむしろ切ない。生きられないけれど、でも恋してしまった。
それとも上質な別れの科白?どちらにしても、このさらさら感が好きです。
自分にはできないから。

096:留守 風花様
 潮騒を留守番電話に吹き込んであなたへ告げるさよならの意味
このお歌で一番感心したのが、僅かな文字数の中「留守電」と省略していないこと。
省略のない分、選び取った言葉に無駄が一切なく、印象強いです。


今日はここまで。
最近電池切れのように、やりたいことをしないまま休日が過ぎています。
このままじゃいけないんだけど・・・
ちょっとマラソンに顔出して、ちょっと本店に顔出して、それから・・・
そろそろ私にも「覚悟」が必要みたいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

過去ログ55

027:液体 島田 久輔様
 あきらめが時間に換算されてゆく液体化する瓶の蝮は
蝮酒の中に閉じ込められた蝮の「あきらめ」という視点が鋭い。たしかに、
ある種あきらめないと、朽ちることも赦されぬアルコールの中にはいられない。

001:声 アストラ弥様
 櫟(イチイ)の根蔓延る口に前世の産声飾ろ倭たしの冥府
櫟=冥府という観念は、シェイクスピア(十二夜)にも出てくるくだりです。
惜しむらくは、いっそルビなしで出してしまった方が潔い。

069:花束 住職(jusyoku)様
 花束が置かれてる。その奥に浮かぶ風景。思い出と祈りと。
住職様の手に掛かると、悲しみにうっすら幕が掛かり、それどころか優しい気持ちに
なれるのが不思議です。このような心境に至るまでの葛藤すら包み込む寛大さ。

012:メガホン 紺乃卓海様
 飲み下すことばで育つこの胸のメガホン 白い水仙に似て
メガホンを水仙に見立てるお歌は他にもありますが、「胸のメガホン」と
飲み下した言葉が清純な白い花になるところが斬新。
このお題で水仙をモチーフとした中では、今まで拝読した中で一押しです。

022:弓 香乃様
 履けもせぬトウシューズ飾る四十路にもなりてもこがれつまさきの弓
そういう憧れを飾る気持ち、好きです。いつでも踊れますよ。追想の中で。

097:静 スナフキン様
 静寂を破る震災20秒 10年たてど傷遺りけり
さらっと流しているようで、深い味わいがあります。恐怖とか絶望感とか
体験した本人でなければわからないから。

027:液体 田丸まひる様
 似合わないことならちゃんと分かってる(けど)甘すぎる液体リップ
きっと似合いますとも。だって、迷いつつ選んだのだから。
要は「私にも似合う」と思いながらくちびるを彩ることです。まだ若いんだから
どんどん(けど)を乗り越えていってください。括弧はカギ括弧でもいいかも。

024:チョコレート 暮夜宴様
 眠れない夜はカカオの香りしてペディキュアはほらチョコレート色
一時私もこの色のペディキュアしてました。案外よく映えるし、靴を選ばないの。
今は、巻き爪を抜くのにすぐ傷だらけにしちゃうから足の爪は染めていませんが。

069:花束 丹羽まゆみ様
 止めろとも好きにしなとも言えぬなら愚かな嘘を花束で打て
嘘には2種類あるといいます。愚かな嘘ならば、薔薇の花束の茎のところで
思い切り打ち据えましょう。というのはさておき、流れの美しさが採った理由です。
31文字の中に、きちんとした実景が浮き上がる。


今日は多めにとれました。
本店のほうでちょこっとだけ詠んでから寝ます。
マラソンは明日から、ということで(焦)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005/04/23

過去ログ54

044:香 高崎れい子様
 我の香を盗みてゆきし春の風 いろを加へよみづを与へよ
うん、結句がきれい。でも、それは淡く、まだ粘性を帯びているんですね。

091:暖 鈴木貴彰様
 暖かな雨にくろぐろ濡らさるるさくらの枝にひらく記憶は
雨がくろぐろ濡らすのはうつくしい髪なのか。それとも桜の色か。
迷いつつも好き。
097:静 鈴木貴彰様
 音楽はやがて静まり俺ひとり明日の焚き木をくべねばならぬ
鈴木様はこれでおしまい、完走ですか・・・残念!

015:友 海神いさな。様
 別れても友達なんかになりさがるぬるいあたしと君じゃイヤです
きっぱりしていて素敵。どうせ友達がずるする互いの甘いところをせめぎ合う。
だったら、きっぱり「イヤです」と言うべきでしょう。


今日は、少ないな~
で、もう寝ますので走るのはおやすみ・・・

船坂さまへ。
参考になるコメントをたくさんあろがとうございます。
励みになっています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/04/21

過去ログ53

004:淡 篠原となみ様
 三月に煙幕を張ることにする君の煙草の淡いけむりで
このログからですね。どれもいいけど、これが一押し。けむりが併走していて
スモーキーな感情を包み込んでいる感じが素敵。

052:螺旋 樹里様
 新色の春の螺旋を描き居れば我の肌にも魔物降るるや
女なら、誰でもこういう感情を一度は抱くのではないかしら。
一瞬自分が魔性になったかのような感覚。共感します。

026:蜘蛛 みあ様
 廃墟には時間を食べる蜘蛛がおり柱の創は十三歳(じゅうさん)のまま
うまい!蜘蛛でこう持ってきたか~と感心。ルビ抜きでただ「十三」だけでも成立しますが
廃墟が廃墟になる以前の時間設定としては絶妙なところです。

031:盗 里坂季夜様
 盗まれた希望のあった場所にいる灰色が言う ソコヲウゴクナ
なんか、こういう物語ありましたね。結句のカタカナがいい。

082:罠 鈴木貴彰様
 鉄罠を引きずり猪はくらやみに青き火花を咲かせてゆきぬ
猪=「しし」にルビがあったら、これほど佳くない。このストレートさがいい。
拳銃も酒も女もないハードボイルドな感覚。脱帽です。
088:食 鈴木貴彰様
 生肉を専ら食するくちびるの乾きを癒すおまえの肌に
2首目。もう、勘弁してください。短歌に「ハードボイルド」というジャンルがあるとしたら
鈴木様が第一人者になりそうです。

096:留守 ハナ様
 居留守だと解ってました カラス鳴く うるさいみんなうるさいわたしも
このログからは2首頂きました。かわいらしいストーカー娘。
実話なら相手に言わせれば「冗談じゃない!」かもしれないけれど、
ここから次に採らせて頂いたお歌までの間にちゃんと心の整理がついています。
連作ものとして優秀なので区切るのはもったいない感じ。
歌集の中の1章として連続して味わいたいです。
099:動 ハナ様
 動物として啼きましたこれでもう最後の野性びいるがにがい
にがいびいるが効いています。平仮名なところが可愛い。
「麦酒が苦い」では台無しの感が強く、文字の使い分けがお上手だと思います。

054:靴下 こはく様
 無意識に継ぐ慎ましさ靴下を履くとき人は頭を垂れる
言われてみればあたりまえなのですが、それを「慎ましさ」とするところに
日常を斬新に切り取る力を感じました。
確かに靴下を履くときは、絶対うつむきます。
かといってパンティではいまいち「慎ましさ」に欠けますし
ここはベストな選択肢でしょう。

昨夜はどうしても、なにもできませんでした。帰宅遅かったし~
我が家のお嬢様(しっぽ付)が遊びたがっています。
一番好きな玩具は「私の伝線したストッキング」です・・・
少しだけでも走って寝ようかな。
どうせ、まだ寝付かないのははっきりしてますしね。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005/04/20

過去ログ52

034:背中 麻生智矩様
育つ子が見たい背中は選べない 私は両親の子でよかった
まったく、そのとおりです。私は反抗期が長く、父と同じ仕事に就くまで
ずっとずっと反抗期だったなあ。今では家でのむっつりの原因も分かるんだけど。
このお歌を添えた花束が結婚記念日などに届いたら、ご両親、感無量でしょうね。
035:禁 麻生智矩様
 月でさえ侵さぬ水を俗人が掻き濁すのか禁域の湖(うみ)
2首採らせて頂きました。好みはこちら。全体の流れが美しく、結句「禁域の湖」が
素晴らしく透明に、あるいは深い青に輝くのです。

064:科学 吉野楓子様
 ここちよき椅子にゆられて科学館プラネタリュウムはゆりかごのよう
プラネタ「リュウム」にやられました。こっちの方が何となく懐古的で、ゆりかご、
ここちよき椅子という言葉に馴染みますね。

024:チョコレート 飛永京様
 チョコレート細工のようにバリトンの黒百合の歌とろけ纏わり
チョコレート題は大変難しいと感じましたが、黒百合、バリトンのとりあわせが
上等なディナーのフルコースのよう。脱帽です。

041:迷 唐津いづみ様
 迷いながら惑いながらゆく道はカルナバルの夜 額縁のなか
決め手は「カルナバル」です。カーニバルより哀愁を帯びて響くこの言葉、
迷いや惑いにぴったりです。

024:チョコレート 田丸まひる様
 蝶々のかたちの薄いチョコレートふたりで一枚かじる もう朝
チョコレート、今日は2首目のゲットです。このチョコレートは、見るからに儚げで
とても高価そう。朝までかじっているわけもなく、そういう時間を共有しながらの
甘い甘い恋の香りが際だっているのです。まひるちゃん(ちゃん付けでごめんね)
言葉の選び方、形状の選び方が抜群です。

020:楽(再投稿) 前野真左子様
 春風を従へて来る楽隊のベルリラベルリラ蝶を零せり
後半が最高。蝶を零すなんて、優雅な言葉ですね。まさにゆうるりと
儚くも飛び立つ生命力を持った、やさしい音色。

089:巻 ハナ様
 雑念は黄色い液に巻きこんでいけ卵焼きぐるぐるのぱあ
結句にノックダウンです。全体的に「日常の中のできごと」であるがゆえ、
味わい深く共感できるのでしょう。ロールケーキを巻くより卵焼き。
パイを焼くよりクッキー。誰もが経験しそうなものであればあるほど、
共感しやすくもあり、難しくもあると思うのです。今日のいちおし。

034:背中 島菜穂子様
 ファラオらの風狩人(かぜかりびと)と言われけるサルーキ犬の背中を撫でる
サルーキは「神の使者」と崇められた犬ですね。私自身は先日ファラオハウンドと遭遇し、
出勤が30分も遅れました。このような古代犬を詠み込むには、犬種に疎い人も含め
納得させるような全体の流れが必須でしょう。チワワやダックスとは知名度が違う。
それを前半の流れで、美しくさらりと語りました。きっとこのお歌に目を留めた方は
スリムな視覚ハウンドの体型に美しい耳と尾の飾り毛を持ったこの優雅な犬を、
美しいものとして心の片隅に記憶することでしょう。

077:櫛 やそおとめ様
 つゆじもの昭和大正置きて去(い)なば林檎畑の花櫛も消(け)ぬ
今回植物をテーマになさっているのかしら、と感じておりますが、このログで
一押しが、これです。林檎の花櫛なんて、儚くも甘く優雅ではありませんか。
どうか喪われずにあってほしい日本の美です。

090:薔薇 浜田道子様
 冬枯れの庭に一輪薔薇の花いびつに命まもりゐるなり
冬薔薇は大好きな題材です。後半「いびつに命まもりゐる」が特にいい。
庭植えならば、冬に咲くには厳しく、小さくていびつな花でしょう。
それが自分の薔薇の誇り(というものをあの花には感じます)を気高く匂わせ
美しい仕上がりとなりました。

031:盗 織田香寿子様
 犯罪を許しおくのか「拉致」という北朝鮮は人を盗みぬ
時事ものの優秀賞。まさに「拉致」は「人を盗む」行為です。毅然とした対応を!

今日は電話によって1時間半を消費し、「1個ログできるかな~」と手を付けたら
好きなお歌のオンパレード。参りました。これでもかなり削ったのです。
自作はさすがに本日お休み。もう寝ないと明日仕事にならなさそう・・・

というわけで。おやすみなさい。
今日の、犬の歌
  なに想い踊るか小さき足どりは「子犬のワルツ」奏で続けて
私がこうして電話だのパソコンで時間を割いている間、ひとりで遊んでいます。
とはいっても「おもちゃ運び」など「かまってくれ」攻撃はされていますが、
子犬のワルツのあのテンポそのままに、狭い家の中を駆け回っています。
満腹でいい気分なのか適当な場所で寝ています。
愛犬家としては、この顔が一番好き。
明日早く仕事が終わったら、一緒に夕陽が沈む海の見える道に行こう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/04/18

過去ログ51

053:髪 丹羽まゆみ様
 奪うならすべてを奪え絶え間なく髪を立たせる逆境の風
凄いなあ、ここまで覚悟を決められたなら逆境なんか怖くない。
自分に檄を飛ばすような気持ちで選ばせて頂きました。

078:携帯 林義子様
 席に座す八人の中の六人が携帯打ちてる夕べの車内
具体的な数の置き方が絶妙。もっと多くても少なくてもリアリティに欠けそうで
この数だからこそ車内の様子や、携帯電話はご遠慮下さい・・・の虚しさや、
そういうものが鮮烈に脳裏に蘇るのです。
地下鉄のない街に住んで3年を経過、懐かしくも人間的な風景。

030:橋 茶琥チヤ子様
 ゆふぐれを異国の船は行き交ひぬ青が降りゆく明石大橋
具体的な場所設定が「青が降りゆく」「異国の船」総てを際だたせる。
私の居住地付近の地名は出しても「なにそれ」と言われそうなのが多いですが
こうやって効果的な例もあるのだ、と素晴らしいお手本を示して頂きました。
例えば「虎杖浜」なんて、ここいらの人にしか通じない地名を出し玉砕したので。

034:背中 伊波虎英様
 磔さるる運命(さだめ)の背中(せな)にくちびるをひそと押しあて泣く女はも
これの次もぐっと惹かれましたが、キリスト教は何故か短歌に嵌ります。
同じマリアでもマグダラのマリアを愛する私にとって、背中にキスする様は、
聖母よりそちらを、後ろめたさの中の救済を、彷彿とさせるのです。

057:制服 遥悠(天晴娘々)様
 制服で匿つてゐた微熱 この国には標準時刻があつて
069:花束 遥悠(天晴娘々) 様
 花束は白、マルボロとスコッチと 子猫の声でいまもなけます
うわ、もったいない!このログで吐き出されてしまったら、選び抜くしかない。
ばらけていたらもっともっと拾いたいお歌がたくさんありました。
まず制服ですが、不可思議な流れが絶妙。現実味のあるファンタジーのよう。
そしてこっちのほうがより惹かれましたのが「花束」固有名詞のなんと効果的なことか。
もっともっと別の場でもお歌を拝読させて頂きたいと感じました。
スコッチならば、こちらはいかが?僭越ながら返歌など・・・稀なことですが。
 幾多なる追想なみだ宝石にキングスバレーは君の色彩
このカクテル、美しい翡翠色。そしてスコットランドの王家の渓をイメージした
強くも味わい深い逸品です。佳いバーに巡り会えたら(種類の少ない店にはない)
是非ご賞味頂きたいですね。もちろんベースは「お好みの」スコッチを指名して。
気の利いたバーテンさんなら、快諾してくださるでしょう。

024:チョコレート 五十嵐きよみ様
 チョコレートまみれの指で恋人の背をなぞるには爪がちいさい
ものすごく奥の深いお歌だと思います。小さいのは爪なのか、それとも恋人の背中が
それだけ大きく温かいのか。チョコレートは甘さの暗喩なのか、ホンモノなのか。
読めば読むほど味の出る素敵なお歌です。脱帽。
もしかしたらブラウンのネイルを塗ってバレンタインに睦まじく過ごし
でも家事なんかで長い爪は確保できなくて・・・深く深く、どこまでも、
私の中で物語ができてゆくのです。こういう奥深さ、大好きです。


今日は少な目の選歌ですが、理由は遥悠(天晴娘々) 様のお歌が洪水のように溢れ
その中で「これこそが・・・」というのを絞って絞って絞り抜いたからです。
だんだんログにも追いついてきました。私もまた多忙を迎える前に
1日2~3首でいいから走ります。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005/04/17

過去ログ50

083:キャベツ ハナ様
 さようなら キャベツを剥がす確実に小さくなって消えていくひと
つぼみのお題でも、似た情景をよく見掛けましたが、キャベツの方が好みかも。
ばりばりっと剥く感触が潔い感じです。

051:泣きぼくろ こはく様
 どの嘘が呼んだのだろう満たされぬ雨が撒かれて偽泣きぼくろ
ほくろを描くメイクもあるらしく、驚いています。このお歌ではそのうしろめたさのようなもの
何か自分に無理している感情が、よく表れていると感じました。
まったくの見当違いだったらごめんなさい。

049:ワイン かすいまこと様
 飲みなれぬ者にとっては変わりなし 高きワインも安きワインも
うーん、そうだよなあ・・・としみじみ。飲んで「おいしい」のは2000円前後、
「飲み慣れないな~」という味のが2万円前後、と、とあるバーのクリスマスイベントで
「ワイン当てゲーム」に参加し知りました。自分がおいしいと感じるのが一番です。

089:巻 黒田康之様
 きみの指が渦巻きみたいに盛り付けたそうめんを喰う華やいだ夜
盛りつけだけで「華やぐ」そうめん。愛がなければそうめんでそういう気分にはなれない。
097:静 黒田康之様
 きみの部屋に静寂があるどうしても入ってゆけない形のままに
このログからは2首採らせて頂きました。同じ方が詠まれているのに、ぐっと
雰囲気が違うことに驚かされます(いや、私もか)。
好みとしてはこっちなんですよね~

052:螺旋 丹羽まゆみ様
 自らを犯す快感(けらく)よゆっくりと二重螺旋を貫くピアス
心臓直撃のエロティック。ボディーピアスとか舌を裂いちゃうとか私には理解できませんが
痛みがある種快楽のようなものになる「気持ち」は理解できます。


今日はここまで。頭を打って数日、今日になって、ひどい頭痛です。
肩こりなのか、ぶつけたせいか、ちょっと判然としませんが
鎮痛剤が効くのは早くても2時間後・・・
異常に薬が効かない体質のため、いざというとき大変なのでした。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2005/04/16

過去ログ48、49

019:アラビア 暮夜宴様
 僕たちは寄り添いながら背き合うアラビアの陽は真紅に熟れて
似たような情景はよく出てくるのに。全体のリズムの佳さでしょうか、ぐっときました。

078:携帯 黒田康之様
 離別とはその面影を携帯する地獄であるときみに教わる
まったくです。すっぱり忘れ去れればいい、と思う出会いもあるのです。

045:パズル 望月暢孝様
 服のまま寝てしまおうかそれがいいパズル面男と別れたあとは
パズル面男って、どんなだろう???
読み過ごせなかったです。前半の独り言の流れもよくて、何故かしっくりくる。

046:泥 こはく様
 とりとめのないはしゃぎかたをまかされる緋のくちびるに泥をねむらせ
漢字を絞ったのがよく効いています。相容れぬ色だからなお。

087:計画 謎彦様
 計画の「画」のあたりに憧れのマスクメロンを感じてしまふ
あ、なーるほど!そう言われてみると箱入りメロンに見えてしまう。新鮮。
良い意味で幼児のような柔軟な発想力に脱帽です。

ここから49
090:薔薇 みずき様
 冬薔薇へダリの陰影なぞる風つめたき空のなほ真しろなる
ダリですか、もうそれだけで風の流れが見えてしまう。静謐な美しさですね。

010:線路 海神いさな。 様
 はりつめたピアノ線路地裏あたり切れて痛くて君がいなくて
このログのお歌、どれも好みでしたがこれを採用!ピアノ線がいいなあ。

031:盗 落合朱美様
 真夜中に焼き菓子ひとつ盗みおるポチの罪を被る父の愛
室内犬は寝ている間に想像もできないことをやらかしてくれます。
ほのぼのとして、犯人が犬だとわかっているのが可愛い。

064:科学 りり様
 子宮がね拒んだみたいあなたの子科学じゃないの魂のレベルで
これ、言われた男は反論できないでしょうね。せいぜい愚にもつかない捨てぜりふか
逆切れするか。最高の拒絶だと思います。

・・・というわけで(何が?)今日また走り出しました。ラスト10㎞。
ここいらのテーマは「別れの科白」
それまで結構好きな路線である「ちょっと翳りのある恋」できました。
くっついてたり、別れてたり、いろいろですが、
76~80まで5首はきっぱり「別れ」でいきます。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005/04/14

過去ログ47

082:罠 みずき様
 罠落つる瞬時をおそふ魔性とは泣かない女になるといふこと
083:キャベツ みずき様
 芽キャベツの中にちつちやな太陽の匂ひどこかで雪がはじける
このログでのみずき様のお歌はどれも好きですが、この2首を。
個人的な好みでいえば「罠」の雰囲気の方が好きです。

022:弓 茶琥チヤ子様
 かなしみを深く抱きて彷徨える駱駝も見むか弓張りの月
駱駝の目は、睫毛が長く伏し目がちでかなしそうに見えますね。
異邦の香り漂う美しい光景だと思います。

077:櫛 黒田康之様
 櫛で梳くおまえの髪から昨晩のぼくの煙草の香が落ちてくる
煙草の匂いって髪に残るんですよね。移り香を潔しとするのも、愛でしょう。


どうにも調子が出ません。辛口な選歌で、数が採れずにいます。
ちょっとスランプ、かもしれません。
まだまだ日数はありますし、無理に走らず、しばし休息・・・

| | コメント (1) | トラックバック (0)

過去ログ46

035:禁 星桔梗様
 禁断の恋だからこそ燃え上がる成就するのか火傷するだけか
火傷でも良い、愛してる、と感じてしまったとき、どう進むかは個人の決断ですし。
結句が字余りなのがまたいい味出しています。

094:進 さゆら様
 せめて後生むつまじきやう朧夜は進ぜませうか菜の花の膳
古典的な香りのするお歌です。特に「菜の花の膳」という結句が朧月夜と合い、
うつくしく、心に響きます。

093 ナイフ 冬野由布様
 沈黙といふナイフをば突きつけて男は寝間へ行きてしまへり
うーん、男の不機嫌は沈黙で表現されることが多いですね。
結句が、切ない心情を余すことなく発揮していると思う。

019:アラビア 唐津いづみ様
 あのころは声をかけあうひとがいたペンネ・アラビアータからめてすくう
ペンネはからめすくえません。それが、前半の喪失感をよく表していると思います。


今日はたったこれだけ・・・私が眠いせいでしょうか。
あちこち関連サイトを拝見するたび、私のお歌を採用してくださっている皆様に
この場を借りて心から感謝申し上げます。
本来ならその場で謝辞を述べるのが礼儀でしょうが
何だか気恥ずかしくて。。。
そしてこのブログにコメントを下さる皆様、ありがとうございます。
お返事できなくてごめんなさい。

今日は、そろそろ寝ます。ちょい過労気味なので。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/04/12

過去ログ45

058:剣 住職(jusyoku)様
 言葉の剣(つるぎ)ともに抜けずに。沈黙(しじま)は見ている、二人を、唇を。
059:十字 住職(jusyoku)様
 十字路を照らす街灯オレンジの光で我こそ焼き滅ぼさめ
2首採らせて頂きました。住職様のお歌は句読点の使い方が絶妙で、
余韻の深さをこよなく愛していたのですが、「十字」のお題で私の先入観を
見事払拭してくださいました。すんなり31文字句読点なし。それでも美しい。
語彙と表現の力に圧倒されます。

046:泥 寺川育世様
後悔は泥酔の道のそちこちに落ちてゐてひとつ拾へば椿
049:ワイン 寺川育世様
 強引に引き寄せたれば胸元にワイン撥ねたりその赤も吸ふ
こちらも2首選ばせて頂きました。まず「泥」ですが、後悔を咲いたまま落ちる椿に
うまくなぞらえ、決して弱気ではない後悔の姿に心打たれました。
私自身「やらずに悔やむなら、やって悔やめ」という主義なので、このお歌に
また一歩踏み出す勇気を頂きました。
そしてワインのお歌、色香漂う、全作とうってかわった詠みっぷりに拍手。
赤ワインって白より色っぽく感じます。

091:暖 足立尚彦様
 寒流も暖流も韓流もオレ流も流れる。流れるために
やられたあ!ここで「オレ流」がなければ、ここまで魅力がないのかも。
自然のもの、ブーム、そして変わらぬ芯の通ったご自身。並列することで
なお一層、「オレ」が凛として響きます。

035:禁 はぼき様
 君を待ち駐車禁止の標識によりかかる手にコーヒーの缶
待ちあわせ、というよりは、本当に待つためにそこにいる、という感じ。
まず標識前という場所設定が、待ち合わせでは堪えきれないような
本当に「私は待っているのも平気」じゃないと無理な場所。
そしてたぶん、遅い相手を待ちつつコーヒーを飲んでいるの。
勝手な解釈ですが、「与える愛」の姿を感じました。

028:母 愛観様
 便箋に食い込むように母死すと見慣れた友の手紙の筆圧
ずきっときます。きっと文面はさりげないのに、筆圧から心境を察する友の姿。
ここで私がいう「友」はお歌の中の友ではなく、作者様のことですが、
良い友人を持つって、かけがえのない財産ですね。

049:ワイン 吉野楓子様
 きみ想いドヴォルザークのハ短調聴きつつワインふくむ酔いどれ
物思いにふける酒のBGMには、ほの暗い響きの短調が似合います。

018:教室 やまもとまき様
 京都弁の少女の朗読する「源氏」はんなりやんわり教室を満たす
はんなり、という言葉はまさに京都のためにあるような言葉。優しく美しい。
惜しむらくは発句「京訛り」のほうが、私は一層好きかも。
わがままな感想でごめんなさい。

018:教室 田丸まひる様
 ひとの輪の尊さを説く教室の貼り紙わたしは一匹の蟻
ごめんなさいね、ブログで読むまひるさんのイメージからは、良い意味で離れたお歌。
私が勝手に描いていた作者像を覆す、凛とした職業意識すら感じさせる一首に感服。


本日も1個で勘弁を。
なんとなく、本店が開店休業しちゃってたりしますので、
題詠に関係なく、ちょっとだけ歌を更新したかったりします。
この季節になると思い出す切ない自作があるので紹介しますね。

 あと二日たった二日の世捨て人君ゆく街に雪よ積もるな

実は、私、すっごい雪女なんです。10月~4月まで、確実に「何かある」と
雪を降らせてしまいます。おかげさまで一度誘ってくれた人は、
ことごとく次回からウインタースポーツに誘ってくれません。
これは、本州に試験を受けに行くため必死で勉強していた当時好きだった人のため
心の中でエールを送った歌でした。
残念ながら彼の消息は途絶えています。辞職したように思います。
ロシア語の堪能な人でした。完全な自己完結の片思いでしたが
今では「そんなこともあったなあ・・・」と、いい思い出です。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005/04/11

過去ログ44

061:じゃがいも 鈴木貴彰様
 ダマスカスナイフ鋭くじゃがいものついに芽吹かぬ表皮撫でたり
うわ、勘弁して。じゃがいもなんだけど、すごくエロティックに感じるのは発句のせい?
「芽吹かぬ表皮」が女の肌を連想させるんです。私の思考回路がそうなのか、
作者の意図なのか・・・って、きっと前者なんだけど。

004:淡 瀧村小奈生様
 ギタリスト見つめる少女ひざを抱え淡い耳たぶ透けてゆく夜
淡い耳たぶ、という言葉の新鮮さに惹かれました。薄暗いライブハウスや、
そこに集う少女や、ほのかな疑似恋愛のような憧れや・・・

033:魚 吉田貴美子様
 まがなしくみづから光る深海の魚は照らせり闇の水族
結句が特に美しいです。深海魚なんだから闇を照らすのは当然といえば
当然なのですが、「水族」としたところに、何かファンタジーの匂いを感じます。

059:十字  やそおとめ様
 鉤十字卍どもゑと相似たり歴史がなだれてゆく先の罌粟(けし)]
罌粟の花の禍々しさというのは、どこから来るのでしょうね。いわゆる
「栽培できない罌粟」ほど大輪で美しいのも、この花の宿命でしょうか。
結句で全体がほわっと染まる緊張感がいいです。

023:うさぎ 史之春風様
 うさぎってかわいかだけて思うとる? 騙されんばい噛み切ってやる
これは、方言の勝利でしょう。標準語に直しちゃうときっと
「うさぎってかわいいだけと思ってる? 騙されないぞ噛み切ってやる」
なんて平坦で味わいが薄くなっちゃう。お国訛りって本当に美しい。

002:色 花山周子様
 水溜まりにたまりてゆける服の色クロード・モネの夢の入り口
これがもし単に「モネ」だけなら、ここまで印象が強くなかったでしょう。
敢えて31文字の中に組み入れるフルネーム。シャネルを「ガブリエル・シャネル」
ガルボを「グレタ・ガルボ」とするように、フルネームを詠み込むのは、
その前がしっかり完成していないと字数的にも難しいのです。
ピカソなんてフルネーム並べたら字余りもいいところだし。
モネだからこそ出せるフルネーム、そして「印象派」の淡い色彩の強調。
このログから登場なさった花山様、今後が楽しみです。


今日は少な目のお持ち帰りかもしれません。
自作も停滞しているし、本店(Bar Betty's Blue)に至っては
ほとんど更新されていない状況です。
ちょっとは自分でも詠んでいかないと麻痺しちゃいそう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/04/10

過去ログ43

007:発見 みち。様
 鈍感でよかった。キミの小さな変化、発見できないままでよかった。
なにげなく共感できる。嫌な面なら、最後まで気付かない方が幸せですもん。

019:アラビア 麻生智矩様
 子宮へと沈め地球の核になれアラビア文字のかたちの細胞(セル)よ
ぐっときます。文句なしに巧い!選び取るのに苦しみました。どれも佳いのですが
このお歌の発句に惹かれました。

074:麻酔 クロネコ様
 歯医者さん! ちょっと麻酔が 効いてない! 痛い!痛いよ! 痛いって!聞いてる!?
は~い、ちょっと痛いですよ~、痛かったら手上げてね~、と言いつつ、本当に手を挙げて
麻酔を追加してくれた歯医者さん、いませんでした。笑いつつ痛い。

003:つぼみ 砂時計 更様
 黄昏て蕾たわわな樹の梢いまだ不安にさわさわ揺れる
全体の流れが美しいと思います。自分で詠むなら「たそがれ」と仮名にするかな?
でもこのお歌は漢字の配置も美しいので、このままのほうが佳いですね。

039:紫 こはく様
 弔えぬ過去の代わりに容赦なくむしる紫苑をそのはなびらを
どきっとします。花を引きちぎるときの空虚な憎悪、とでもいうのかしら。
うまく表現できないんですけれど、そんなものを感じます。

069:花束 黒田康之様
 記念日に三千余円の花束をきみに贈ろう愛してるから
値段設定が具体的な分、本当に愛を感じます。これが5000円だと大きすぎ、
2000円だとアレンジメントでちょうど、ぐらいの花の分量なので
3000円程度の花束というのは、受取り手のことも考えた賢い選択です。
「わあ、ありがとう!」ってすぐ埋けられるもの。

063:鬼 エクセレント安田様
 ふかふかの 鬼饅頭を 召し上がれ 昭和時代の 田舎のおやつ
実物にはお目に掛かったことがないのですが、確かサツマイモのごつごつしたおまんじゅう。
1句ずつ途切れた表記に、素朴な味わいがマッチしていいですね。

003:つぼみ 小林成子様
 ひび割れし土より蒲公英萌えいずるゆめのようなるつぼみをつけて
このログから小林様登場ですね。どれも植物が生き生きと美しく、中でもこのお歌
後半の平仮名の羅列がより柔らかく、美しく、素敵だと思いました。今後が楽しみ。

015:友 桶田 沙美様
 同性の友として側(そば)寄り添いて笑顔見せても想い届かず
2通りの読みができますが、届かぬ思いを「愛です」と叫べない立場の辛さは同じ。
笑顔の裏でほうっと溜息をつくような、そんな切なくもいじらしい感情が伝わります。


今日はログ1個で勘弁願います。
悪天候で気分転換をかね、ほとんど寝ない状態なのにドライブに行きました。
桜花賞のパドックを見て「この馬は絶対来る!」と人に指南しつつ
自分で買うのを忘れました。1000円買っていれば8万円になったのに~
いいもん、他のレースでトータルではちょっとだけど勝ったもん・・・でも悔しい。
サラブレッドが「私、今日は絶対3着までに入るわよ!」って顔をしていて
「絶対来るよ!」と言ったら見事的中だったんですよね~
馬、好きです。強く、激しく、美しく。
ご祝儀を差し上げたと思って、自走期待しましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005/04/09

ショート・デート そして「逃避行」

           ショート・デート

bloodrose
051:泣きぼくろ
 目ヂカラを超える色香の泣きぼくろ
                下睫毛だけ染めない理由

052:螺旋
 逢瀬には灯りとてない埠頭にて
                螺旋の如き潮騒の鳴る

053:髪
 僕を見て髪を乱して駆けてくる彼女の笑顔が遅刻を赦す

054:靴下
 ガーターで留めるレースの靴下を引き裂きたいね野獣になって

055:ラーメン
 素顔まで晒したあなたと行きたいな深夜ラーメン行列の店


           「逃避行」

056:松
 連れもなく目的もなく冬露天裸身晒せば松の香仄か

057:制服
制服の真意は「征服」しがらみを棄てて奔馬の如く海へと

058:剣
 鈍色の虎杖浜には人もなく唯剣呑な波が啼くのみ

059:十字
 伴天連の血の色のまま赤煉瓦倉庫の彼方燃ゆる十字架

060:影
 寂しくて最後の月を呑んだから影喪(な)くし居る立待岬


ここいらは、かなりスランプ状態でした。
これからゴールまで残り10㎞ぐらい、ってところですが頑張ります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

過去ログ41~42

遅々として進みませんが昨夜は自作もちょっぴり追加できました。
まず41から。
025:泳 ちどり様
 かりゆしの 故郷の海 エメラルド 一人泳げり 弥生のある日
温暖の故郷なんでしょうね。いま、海に入ったら心臓麻痺で死ぬ地域にいます。
4月鹿児島に行ったとき半袖でも暑くて、袖をたくし上げていたら、
地元の人に「こいつ変だ」って顔されたとです・・・(笑)
それはそうと、海の色合いが美しいですね。

020:楽 飛鳥川いるか様
 十六分音符で歩くわが犬に統べられ楽し逢魔が刻は
タタタタタタン、早足というかきっと小さな犬の楽しげな歩調。時間なんて気にならない。

012:メガホン 星川孝様
 よみがへる活動寫眞 今は亡きかの監督もメガホンを手に
浅田次郎氏の影響か、「人情紙風船」など彷彿とさせるお歌でした。

002:色 中川佳南様
 ひとを恋うこころは唐棣色(はねずいろ)なれば奪われもせぬ我が身かなしき
まず、「はねず」の変換文字がいいですね。数種類あると思いますが、結句に馴染みます。

016:たそがれ みあ様
 たそがれは静かに老いる父の手のあかぎれの中ひっそりとあり
ほの温かく、ほの寂しい家族愛がいいです。

094:進 村本希理子様
 役に立つ進歩の一つの例として在るナプキンの粘着テープ
これは男には理解できないでしょうね~このお題からこんな具体的なものが出てくる
発想力の豊かさに、脱帽。
097:静 村本希理子様
 静脈は熱をうしなひ創刊の「ロードショー」にはドヌーヴの笑み
前半を生かすにはもうドヌーヴしかいないでしょう、ってぐらいはまっています。
これで完走なさっているので、今後題詠マラソンで拝読できないのが残念ですが
まだまだ別の機会に・・・

029:ならずもの 中澤あけみ様
 ろくでなし、ごろつき、やくざ、ならずもの、どんな言葉であなたを呼ばう
迷うあたりが微かに愛ですが、いっそ「ひとでなし!」と叫んでやりましょう。

041:迷 やそおとめ様
 やはらかくなほ温かな迷宮の葩(はなびら)ほぐす夜のこゑはして
仮名遣いと「はなびら」の文字遣いにやられました。うつくしい!

054:靴下 浜田道子様
 ちぐはぐの靴下はきて冬の夜を過疎地の医師は母を診たまふ
ほろっとくる人情的なお歌。深夜でも、休日でも患者と真摯に向き合う過疎地の医師。
そんな先生に出会えたら幸せだな、と思います。


次、42へ
041:迷 白玉だんご様
 巨大なるモールでひとりの母に向け迷子の衣服の描写響けり
さらっと詠んでいらっしゃいますが、名前すら言えない子供から目を離す母親って。。。
以前迷子を保護し「あんたが勝手にいなくなるから!」と僅か3歳に満たない子を
手を掴みぶらさげて立ち去ろうとした愚かな母がいました。周囲にいた私を含む数名で
「お母さん、あんたが悪い!」と取り囲んで説教したことがあります。
私も当時は20代なかばでしたが、良識の問題でしょうね。

038:横浜 穴井苑子様
 横浜で自分のために買ってきたチャイナドレスはクッションにした
わかります。チャイナドレスってジャストサイズを見つけるのが難しくて。
私も3枚ほど着用不能なのがあり、最後には胸とお尻が入ることを基準に買って
自分で腰回りを詰めてリフォームしました。

075:続 足立尚彦様
 晩春の闇にしずかに濁点は離れずざざざざざ 続く雨
擬音のお手本のようなお歌。お見事!「濁点は離れず」がその後を引き立てます。

059:十字 ハナ様
 柔らかく髪を解いてアヴェマリアこのままずっと十字架でいて
このお題では「十字架」「十字路」が多く、その中で全体の柔らかさ、優しさが
何とも素敵でした。


今日はログはここまで。自作の整理もしていないんだもの。。。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2005/04/07

過去ログ39~40

なかなか更新できません。で、今日は2ついきたいと思います。
まずは39から。

024:チョコレート 斉藤そよ様
 あと何度ゆきが降るかな ふたりぶん入れてしまったホットチョコレート
入れてしまったということは、一緒に飲む人は不在の模様。
前半の「ゆき」が平仮名なのでほのかに温かい不思議な寂しさです。

061:じゃがいも クロネコ様
 野菜室 大量に残った じゃがいもから 芽がたくさん出て ジャングル状態
あー、あるある。笑いました。私も大量にじゃがいもをいただき、コロッケにしたところ
冷凍庫を全部コロッケに占拠されたことがあります。つくりすぎ。

090:薔薇  参田三太様
 職を引く一言居士を惜しみけり一同黄になる薔薇を贈りぬ
花言葉をわきまえた上で読むと、とてもシニカルなシーンです。さりげない小技が
とても冴えていると感じた一首でした。

044:香 ハナ様
 長葱の殺気と香気切り刻む 誰も私に詫びなくていい
結句が断然いい。ネギは苦手なので刻むことないんだけど、あのにおいが、
やや開き直り気味の感もある結句とマッチしますね。

066:消 さゆら様
 嫁ぎたる姉幸薄き筋書きに文をおこせり雪消の里へ
端正にまとめられています。「嫁ぐ」ことと「幸薄き」が重なるところが
どこか古風な匂いを放っているのです。

031:盗 丹羽まゆみ様
 しなやかに美(は)しき裸体を盗ませる女のあかいあかい遺伝子
わお、色っぽい!「盗ませる」って、何気に女王様系統?

091:暖 舟橋剛二様
 暖かい雪だと思うこの雪が君の肩にも降るとおもえば
このログで一番迷いながら選び取った舟橋様の1首です。どれも佳いけれど
このお歌が一番好みでした。完走なさったのでこの後拝読できないのが残念。


続いて40へ。
041:迷 りり様
 その剣で祓しておくれ迷妄を囚われた身を君に委ねて
これ、読み方によってはすごく色っぽいですね。たまんない。

057:制服 鈴木貴彰様
 制服の見えぬあたりに剣戟の要諦秘めし巡査見送る
このログの鈴木様も、選ぶのに迷う状態でした。これが一番鮮烈な印象だった。
制服のお題が映える、映画のようなワンシーンです。


40は超少ない選歌になってしまいました。
あくまで「好き」だけで採っているので、「あと一歩」を含めると
膨大になってしまうので泣く泣く削っています。
自作は今日もお休み。週末にまた走ります。


| | コメント (2) | トラックバック (1)

2005/04/03

過去ログ38

010:線路 三宅やよい様
 貨車を呼ぶ線路は右にかしぎつつ操車場まで続け蒲公英
こういう長閑なお歌、好きです。蒲公英が鮮やかで素敵。

021:うたた寝 ドール様
 年老いてうたた寝ばかり故郷(ふるさと)の南の島を知らない鸚鵡
何となく「何が面白くて駝鳥を飼ふのだ」って、彷彿とさせます。さりげないんだけど
生き物への優しい目線を感じて好きです。

062:風邪 足立尚彦様
 風よりも風邪が大切。いつの世も誰かが誰かを抱きたいのだね
結句にやられました。最近添い寝なんて犬としかしてないし~

077:櫛 村本希理子様
 三つ編みを作りて寝たる翌朝に櫛梳る髪 わたしはだあれ
これ、やりましたね~。ソバージュより優しげなふわ髪ができて嬉しいの。

021:うたた寝 落合朱美様
 うたた寝に見し夢のいと浅ましき褥に残りし香に惑ひけり
色っぽい!浅ましくも官能的な美しさってあると思います。

007:発見 上澄眠様
 発見を恐れたためか街灯の陰で溶けあう抹茶とバニラ
結句にやられました。甘く、ほろ苦く、これは読み手によってさまざまな憶測ができ
そこが短歌の魅力だと私は思っています。

019:アラビア 五十嵐きよみ様
 魂がかたちを変える風を切りアラビア馬のたてがみになる
くぅ~、私、馬大好きなのです。休日牧場見学に出掛けるぐらい。
昔のお歌ですがこんなのを詠みました。
 仔を持たぬまま逝くも佳し手向け花は砂一掴み北斗織姫
私が大好きだったホクトベガへの追悼です。

002:色 宮沢 耳様
 白色の薔薇のひとひら舞い降りて我が手のひらで雪となりぬる
花はおしなべて白が好きです。特に白薔薇は、真っ白ではなく、
何となくバニラを思わせる甘く優しい色をしていて。それが雪になるなら、
きっと優しい雪となるでしょう。

007:発見 新田瑛様
 もうずっと泣かされてきて、あなたとは、もうこれ以上、あシュークリーム発見
なんですか~、この結句のシュークリームは~~もう採るしかないでしょう。
すごくシリアスな場面に甘くてさくっとして、クリーム一杯のシュークリーム。
きっと「もうこれ以上」をうち消すような素敵な何かを見つけることができたのかな。


ログはどんどん増えるばかり、自作は・・・です。
昨夜もちょびっとだけ詠んだので、今日もちょっとだけ詠んでいきます。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005/04/02

過去ログ37

023:うさぎ 今泉洋子様
 雪うさぎ作りし頃が南天の実の向かう側に隠れてゐさうな
特段技巧的でなく、すごく素直なんです。その素直さが、雪の白と
南天の赤さにすごく似合って素敵です。

006:時 睡蓮。様
 幸せで夫婦だけでは気づかない時の流れを育つ子で知る
実はこういう幸せものって、あんまり採らないのです。すごく素直に詠み上げられて
心に留まりました。

022:弓 寺川育世様
 わが裸身眺めゐる眼差し鋭(と)くて刹那ひやうふつと弓は鳴りけり
ちょっと破調で、そこがますますエロティック。色気のあるお歌は大好き。
029:ならずもの 寺川育世様
 誰ひとり愛しえざりきならずもの父は大阪で生きてる らしい
2首採らせて頂きました。このお歌の結句「らしい」の前の空白が効果的。

075:続 舟橋剛二様
 降りるべき駅で降りずに目を閉じて海まで今朝の夢の続きを
余韻の大きい、素敵な広がりのあるお歌でした。舟橋様のお歌はどれも佳いので
選ぶのに迷ってしまいます。

020:楽 皆瀬仁太様
 渦状銀河を吹き鳴らしつつ深宇宙へくぢら楽団くわうくわうとゆけ
ここで鯨が出てくるのが何とも作者らしい。でも「軍団」じゃなく「楽団」で
声を立てているのね。すごく新鮮なファンタジー。

065:城 村本希理子様
 汝(な)が終の城と思へば鄭重につまみあぐべしごきぶりホイホイ
ごきぶりホイホイがこんな素敵に詠めるんですね~!実物は見たことがないけれど
憎らしいはずのゴキブリに対しても、命あるものとして優しい目線を感じます。

003:つぼみ 野村優治様
 歌い初むその先端に触れたのをつぼみは赦す微笑んでもいい
お題にふさわしく、瑞々しいお歌です。きっと自分なら結句を「微笑んでいい」と
字数を調整してしまう。それをしていないところが瑞々しく、素敵。


あ~、どうしよう。ログはぐんぐん増えるし・・・
今日は1首でもいいから自作をアップします。でないと過去ログの中でしか
名前が出てこなくなっちゃうし。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2005/04/01

過去ログ36

] 043:馬 浜田道子様
 雨の中繋がれて客を待つ馬の耐うる眼は吾を見ている
馬の目って優しい。いや、参った

011:都 田丸まひる様
 ジオラマの都市にも雪が降るように窓際にやる 泣いてもいいよ
雪、いいですね。泣いてもいいって結句によく似合う。

015:友 萱野芙蓉様
 健全な体臭はなつリア王の末むすめとは友にはなれぬ
古典を持ってきて、すごく自然。リア王読まないとわからないかも知れないけれど
この語彙の豊富さも力量のうちでしょう。

015:友 茶琥チヤ子様
 再会の風はらませるワンピースわたしはただの遠来の友
ワンピースで装っても所詮「友達」なところが切なげでいいです。

090:薔薇 春畑 茜様
 吊るされて薔薇は四月を乾びゆくはやひらき得ぬみずからを抱き
ドライフラワーにされつつある薔薇。後半が特に好きです。ひらきえぬ、のうち
どこか漢字にしたほうが読みやすいかな?

049:ワイン 風花様
 ある夜にワインの海に崩れ落ち満たされたこと罪と呼べるか
そういう夜もあっていいでしょう。自分だけ酔って満たされるなら無罪放免。
誰かに絡んだり迷惑掛けたら、次回酒量に気を付けて。


久し振りの更新です。自作は滞ったまま、ログもぐんぐん増えています。
あらら・・・ってところですが3月後半~4月前半は仕方ないんです。
更新ぐらいはできたらいいな~ってところです。
マラソンも続々完走者が出ていますが、まだ日数もあることですし
マイペースで頑張ります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2005年3月 | トップページ | 2005年5月 »