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2005/04/12

過去ログ45

058:剣 住職(jusyoku)様
 言葉の剣(つるぎ)ともに抜けずに。沈黙(しじま)は見ている、二人を、唇を。
059:十字 住職(jusyoku)様
 十字路を照らす街灯オレンジの光で我こそ焼き滅ぼさめ
2首採らせて頂きました。住職様のお歌は句読点の使い方が絶妙で、
余韻の深さをこよなく愛していたのですが、「十字」のお題で私の先入観を
見事払拭してくださいました。すんなり31文字句読点なし。それでも美しい。
語彙と表現の力に圧倒されます。

046:泥 寺川育世様
後悔は泥酔の道のそちこちに落ちてゐてひとつ拾へば椿
049:ワイン 寺川育世様
 強引に引き寄せたれば胸元にワイン撥ねたりその赤も吸ふ
こちらも2首選ばせて頂きました。まず「泥」ですが、後悔を咲いたまま落ちる椿に
うまくなぞらえ、決して弱気ではない後悔の姿に心打たれました。
私自身「やらずに悔やむなら、やって悔やめ」という主義なので、このお歌に
また一歩踏み出す勇気を頂きました。
そしてワインのお歌、色香漂う、全作とうってかわった詠みっぷりに拍手。
赤ワインって白より色っぽく感じます。

091:暖 足立尚彦様
 寒流も暖流も韓流もオレ流も流れる。流れるために
やられたあ!ここで「オレ流」がなければ、ここまで魅力がないのかも。
自然のもの、ブーム、そして変わらぬ芯の通ったご自身。並列することで
なお一層、「オレ」が凛として響きます。

035:禁 はぼき様
 君を待ち駐車禁止の標識によりかかる手にコーヒーの缶
待ちあわせ、というよりは、本当に待つためにそこにいる、という感じ。
まず標識前という場所設定が、待ち合わせでは堪えきれないような
本当に「私は待っているのも平気」じゃないと無理な場所。
そしてたぶん、遅い相手を待ちつつコーヒーを飲んでいるの。
勝手な解釈ですが、「与える愛」の姿を感じました。

028:母 愛観様
 便箋に食い込むように母死すと見慣れた友の手紙の筆圧
ずきっときます。きっと文面はさりげないのに、筆圧から心境を察する友の姿。
ここで私がいう「友」はお歌の中の友ではなく、作者様のことですが、
良い友人を持つって、かけがえのない財産ですね。

049:ワイン 吉野楓子様
 きみ想いドヴォルザークのハ短調聴きつつワインふくむ酔いどれ
物思いにふける酒のBGMには、ほの暗い響きの短調が似合います。

018:教室 やまもとまき様
 京都弁の少女の朗読する「源氏」はんなりやんわり教室を満たす
はんなり、という言葉はまさに京都のためにあるような言葉。優しく美しい。
惜しむらくは発句「京訛り」のほうが、私は一層好きかも。
わがままな感想でごめんなさい。

018:教室 田丸まひる様
 ひとの輪の尊さを説く教室の貼り紙わたしは一匹の蟻
ごめんなさいね、ブログで読むまひるさんのイメージからは、良い意味で離れたお歌。
私が勝手に描いていた作者像を覆す、凛とした職業意識すら感じさせる一首に感服。


本日も1個で勘弁を。
なんとなく、本店が開店休業しちゃってたりしますので、
題詠に関係なく、ちょっとだけ歌を更新したかったりします。
この季節になると思い出す切ない自作があるので紹介しますね。

 あと二日たった二日の世捨て人君ゆく街に雪よ積もるな

実は、私、すっごい雪女なんです。10月~4月まで、確実に「何かある」と
雪を降らせてしまいます。おかげさまで一度誘ってくれた人は、
ことごとく次回からウインタースポーツに誘ってくれません。
これは、本州に試験を受けに行くため必死で勉強していた当時好きだった人のため
心の中でエールを送った歌でした。
残念ながら彼の消息は途絶えています。辞職したように思います。
ロシア語の堪能な人でした。完全な自己完結の片思いでしたが
今では「そんなこともあったなあ・・・」と、いい思い出です。

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» 2005年作品070 [短歌と散文詩のサイト 六歌亭]
君を待ち駐車禁止の標識によりかかる手にコーヒーの缶 (きみをまちちゅうしゃきんしのひょうしきによりかかるてにこーひーのかん) 【お題035:禁】 [続きを読む]

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