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2005/05/22

過去ログ66

062:風邪 中澤あけみ様
 風邪ひきの吾子を残して仕事場へ向かふ体の重かつたこと
これはもう、経験のない人には絶対通じない切なさでしょう。
そうするしか選択の余地がない苦しみは、もう十分大人の連れ合いが
熱を出したからと仕事を休むようなやわな男にはわからないのです。
大人ならタクシーでも救急車でも自分で呼べる。でも子どもはできない。
過去形であるのが救いですが、さらっとしているようで重たい一首でした。

048:袖 青野ことり様
 袖丈が長すぎるから指先の声が籠つて三月の鬱
指先の声、いいですね。袖が長めの服、ゴスロリでよくありますが
どうせなら紳士服の袖の長さであってほしいところです。
鬱、不眠など題材として多く見掛けますが、違和感なく読みとれたのは
ほんの数首だけで、そのなかのひとつでした。

016:たそがれ 花月 香様
 たそがれに煙草吸う手と絡め合う不敵な笑みが良く似合う君
恰好いい。自意識過剰な面もあるのかな、という気はしますが、似合っていれば
演出も個性ですから。

036:探偵 愛観様
 嫌になる恋した女は探偵を胸に雇っている否応なく
うまいなあ。そのとおりだと思います。女の方がそのへんは敏感で
鈍感で結果ストーカーに成り下がるのは圧倒的に男。
相手の隠し事を見抜くのはイヤでもあり、強くなるためでもあり。

054:靴下 あみー様
 靴下の穴がかわいい 隠そうとがんばる君はすごくかわいい
そういうあみー様がいちばんかわいい!

082:罠 麻生智矩様
 毒だって致死量じゃなく罠だって焼きが鈍ら臆病な僕
徹底的な憎悪ではなく、ほんの少しのためらいを臆病と呼ぶか思いやりとするか。
こうやって歌えるということは、本当は余裕と思いやりだと思う。

029:ならずもの 西村玲美様
 常ならずものうげなるは青の濃さグラスと水のさかひを探る
うまく分離させました。そのまま使うかばらしてまとめるか、難しいお題でしたが
全然苦しそうじゃなく、よく探したら「ならずもの」と続いていた。
もの憂げ、と漢字を使いたいところですが、お題がきれいに収まったので
及第点とします←すごいワガママ


今日はここまで。何だ、時計見ないでいたら、えらい時間になっていました。
さて、今日の1首めのお歌、あらためて振り返りまして
働く女性にしか絶対わからない切なさがいいですね。
ちょっと触れましたが、女房が風邪を引いたからと仕事を休む男は嫌いです。
おとなは自分で病院に行けます。行けないほど悪ければ救急車があるし。
そういう男に限って共働きの女性が「子どもが風邪で」なんて言うと
いいだけ嫌味を並べてくれたりします。
そういうことをしない人ならきっと休んでも不愉快ではないのだけれど
ぐるっと周囲を見わたしたとき、そういう男が圧倒的に多い。
友人があるところに臨時職員として働きに行った際、飲み会の翌日
皆平然と「ふつかよい」で休んでいることに仰天し更新しなかったそうです。
どこかおかしな社会だなあ、と思います。
そういう人たちをどんどん入れ替えればいいのに・・・

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コメント

はじめまして、ベティさん。
完走おめでとうございます!

ならずものに目をとめていただきありがとうございます。
題をそのまま詠み込むのは難しすぎて、逃げてしまいました^^

私も働いていますが、幸いにして今まで風邪の子供をおいて仕事に行かねばならないことはありませんでした。
他の方から比べると、恵まれた職場なのでしょうね。

投稿: 西村玲美 | 2005/05/24 18:53

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