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2005/05/30

過去ログ70

059:十字 青野ことり様
 三十字ほどに想ひを織りこんでトルコアイスのやうに練らうか
あの、ねとっとした食感が、想ひを織り込むにマッチしますね。
つめたい、あまい、やわらかくて粘着質。

063:鬼 落合朱美様
 零れ出る涙が炎に変わるときアタシの中には鬼が棲んでる
アタシの位置どりが絶妙です。ここだけ片仮名なのがいいですね。

028:母 内田かおり様
 木漏れ日を浴びて居りしか母の胸のところどころの透明揺るる
後半「の」が続くのが意見の分かれるところでしょうが、奥へ、もっと奥へと
ズームしている動きがきれいです。また温かな親子の愛情を感じます。

018:教室 敏恵様
 教室の机に白き花在りき昨日の元気なきみの代わりに
小学校でこんなことがありました。新聞の見出しもはっきり憶えてる。
「母の日、悲し」だった。お母さんがクラスメイトを病院に連れて行くとき
修学旅行間近のおにいちゃんも乗せていった。帰りは買い物。
でも、お母さん、スピード出し過ぎて・・・死んじゃった。
クラスメイトも死んじゃった。おにいちゃんだけ助かったけれど
修学旅行には行けなかったの。

038:横浜 五十嵐きよみ様
 「ともだち」と呼び合うことの近しさは渋谷と横浜くらいの遠さ
近しさと、実在する距離で示す距離感がうまく絡んでいますね。
しかも渋谷ですからなお、具体的。

038:横浜 新藤伊織様
 いつだって見切り発車のきみたちは横浜以上新宿未満
五十嵐様と並べて味わいましょう。同じ東京でも新宿です。
その分だけ、若さとかを感じます。

040:おとうと やまもとまき様
 おとうとの手を引いて乗る市バスには濡れた魚の匂いが満ちて
端正に仕上がった風景描写。デッサンだけで美しいある港町のワンシーン。
色が感じられる部分があれば。匂いと情景が溢れているので、ついでに
美しい色彩を時間帯から選べば素晴らしさが倍増です。

039:紫 田丸まひる様
 ゆるされていないことまでしてほしい薄紫に染まる階段
計算された、かわいいセクシー。薄紫の階段だなんて、きっと、
赦されなくてもしたいことが溢れている場所。ロリポップな背徳のにおい。

028:母 ワタナベケンタ様
 唇を噛むと母の味がした十六輌編成の帰郷
やや破調ながらも、前半が圧倒的にいい。そして場所設定も素敵。

054:靴下 野良ゆうき様
 靴下をぬいだ時点で砂浜の女王になった夏の妖精
妖精が女王へ、大変身。素足の夏海辺ほどそういうことが起きる場所は
ゲレンデで帽子を脱いだ雪の女王に匹敵するとおもう。

006:時 紫峯様
 哀しみが少しづつ増し 午後五時に風のたてがみ心を奪う
風のたてがみとは、不思議な情景です。言いたいことはよく伝わるし
そういう比喩も美しい。静寂のなかのうつくしさです。

092:届 麻生智矩様
 手品師の指も届かぬ暗闇に咲いて受粉を待つベラドンナ
やばいでしょう。なんでこんな、官能的なのでしょうね。
え、どうしてって。ベラドンナですよ、ベラドンナ。


昨日よりはとれました。はい。
皆様、毎度毎度ここでのつぶやきで申し訳ありませんが、
選歌して下さったりイベントにお誘い下さったり、ありがとうです。

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コメント

お邪魔します。
お約束のあなたの歌への寸評、私の”keiの歌日記”の今日(6月1日)の欄に書いておいてあります。大変遅くなって申しわけありませんでした。時間があれば見に来て下さい。
 あ、それから、歌会楽しみです。また、

投稿: kei | 2005/06/01 14:08

取り上げて下さってありがとうございます。
なっかなか進まなくって、すっかり亀のマラソン。
なんとかゴール目指したいです。

投稿: 内田かおり | 2005/06/08 21:44

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