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2005年6月

2005/06/29

過去ログ79

047:大和 田丸まひる様
 くちびきる大和撫子つじつまを合わせるために優しくするな
平仮名に挟まれた「大和撫子」の使い方が抜群に巧いと思う。
この言葉は漢字表記でならこそのインパクトがありますから、
ババロアの中に梨や林檎を挟んだような、外周の甘さによる包囲が似合う。
実際にババロアにこれらはあまり入れませんが、ゼリーとも違う。
私の中では、まひるちゃんの平仮名はババロアです。不透明に甘く柔らかく
中のものをすっぽり包んでしまう魔力があるの。

037:汗 香乃様
 稽古後の面をはずした童子らが六列正座す汗の黙祷
ああ、私の「歓喜の歌」シリーズに入れたい一首です。剣道少年ですね。
へなちょこで全戦全敗のくせに2段を有しています。
弱いし体力もないけれど稽古のあとの雰囲気が大好き。
童子という表現が、実に似つかわしいですね。
041:迷 香乃様
 ああ君に手がとどかないすくえないマジョリカの器に迷い込んだね
同じ方をもう1首。マジョリカ焼きの華やかさを思えば、華やぎから抜け出せない
「君」をすくえない表現が生き生きとします。特に立体的な果物柄で手描きの
コーヒーポットあたりに迷い込まれてしまうと、どうもいけません。
「とどかないすくえない」の平仮名が良いです。

037:汗 秋月祐一様
 雪女の汗は血のいろ まつしろなきみの乳房に歯型をつける
雪女です(挙手)。いや、このお歌の意味でなく、雪がよく降る雪女なの。
10月~5月まで有効。おかげで誰も冬のレジャーには私を誘いません。
それはさておき、後半のエロティックさが同時にストイックにも思えるのは、
雪女になぞらえられる女性の淡泊なつめたさにあると思う。
それゆえ、歯形に滲む血色を「汗」と呼びたくなるのかも。
醒めた官能とでも呼びましょうか。女は汗もかかない美しさでつめたく、
男は「雪女」と称し、そんな女をやはり愛している。溶かしたいほどには。

049:ワイン 宵月冴音様
 秘めやかに流し込まれた夏の夜チェリーレッドのワインがしみる
他にもこのログ、いいお歌をたくさん出されていましたが、特にこれを。
チェリーレッドの赤は、ワインの色としては赤みが強く、まだ若いのです。
もっとどろりとした色合いになると赤も熟成した段階に入りますが・・・
この夏の夜の特別な時間はきっと若いワインが似合うのでしょう。
ボージョレーよりも、むしろ熟成させていない、樽から掬いだして飲む
試作品のような荒削りで大胆な若さを感じました。

055:ラーメン  植松大雄/SERENO様
 人拐い稼業に馴染んだジョバンニがよだかに頼むラーメンライス
宮沢賢治ワールドの締めくくりにはラーメンライス。しかも、注文はジョバンニで
配達するのはよだかときた。物語それぞれの哀しさを通り越して、
どこかレトリックな現実感をもっています。だって、人拐いのジョバンニも
ラーメン屋のよだかも、楽しそうなんですもの。

043:馬 KADESH様
 創世記出埃及記に始まりて撤加利亜馬拉基で旧約終はる
そして新約聖書へ。「マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ~使徒、ロマ、コリント1と2と~
ガタレヤ、エファソ、フィリ、コロサイ~テサロニケは1と2と~♪」
こんな歌で新約聖書を暗誦させられたものです。
旧約聖書から馬のお題、見事です。「マナセの祈り」ラストですよね?

今日はここまでです。
うん、自分が終わってからの流れを客観的に読むの、楽しい。
同時に自分も何かしたくなっています。
とりあえず、今まで考えもしなかった結社入会を考えています。
今週末にはいくつか打診をし・・・

ワンコはもう、元気で陽気に戻っています。
立ち直りの早い、イイコです。
除湿の涼しい風を浴び、うとうとしています。かわいい!

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2005/06/28

過去ログ78

007:発見 杉田加代子様
海岸で発見されるその日まで恋に溺れる心中死体
くぅ~、おねがい、溶けるまで出てこないで~
土左衛門の処理ほど辛いことはそんなにたくさんありません。
水に還って。おねがい。

040:おとうと 宵月冴音様
 寒い寒いこんやいただく大根を買いに行くのだ立ておとうとよ
寒さとだいこんのとりあわせが、田舎の、ちょっと昔の冬ですね。ほっこりして
回想の中ではこの寒さがむしろ温かい。

032:乾電池 海神いさな。様
 人知れず泣いてる夜が増えたから乾電池ヒトツ入れ替えてみる
人知れず泣きたい夜のケータイはマナーモードでひかる せつない
乾電池で涙が止まるなら。どんなにいいのでしょう。

046:泥 田丸まひる様
 堂々と奪って泥棒よばわりをされるいわれはない聖五月
恋は所詮盗むものだよ魂をあるいは他のおんなから、ねえ
短歌調コメントになったけど、そう思います。

034:背中 砂時計 更様
 淋しめば茜に染まる山を越へ鳴く群鳥に背中を押され
色彩が豊かで美しいのです。群鳥を最初群青と読んでしまいましたが
私の中では暗がりに変わる中、群青色の鳥が舞っています。うつくしい。

078:携帯 M.東矢様
 携帯の千のベルよりただ一秒抱かれたき夜の在ることを知れ
いち秒じゃたりない肌がしっくりと馴染むまで抱いて抱いて移り香
毎晩こんな感じです。現実ではケータイもまめじゃないです。
そういう「きもち」はよくよく理解できるのです。このひと、似てるかも。
あ、作者様でなくお歌の中の子。

076:リズム 飛永京様
 向日葵とふたり並んで浴びている夏のリズムは毛穴で聴くもの
暑そう~!私、ひまわりは好きですが、夏はだめです。
リズムを毛穴で聴く。素敵な表現ですね。空気から夏の匂いを吸い込んで、
同時に汗ばみながら。

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はい、ここまで~
このログで私がいなくなります。ほっとします。
さいご「マラソン」は今回の五輪の実話を詠んでみたんですよ。
誰より、何より貴重な金メダルより美しい銅メダル。
あの誇りを冠にして、進んで欲しい。ずっと。

トラウマからもワンコ、回復傾向。よしよし。
今度見掛けて寄ってきたら、母は戦いますわよ(怒)

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2005/06/27

即詠:恐怖と憎悪の狭間で

明日また笑顔で君を抱きたくて修羅にも悪魔にもなれる 雨

血を流す肘に安堵のためいきを この血が君のものでないから

怖くなどなかった 破れたジーンズの膝 君が無傷というだけで

掻き抱く頸の太さと動脈のけもののうねり弾ける憎悪

殺すなら私にしてね まだ二歳この子はまだまだ夢を見るから


5首、即詠してみました。本店でも書いたのですが、
雨が降り始めた朝、うちの犬が、離れ犬に襲われたのです。
咄嗟にヘッドロックをかけて、チョコラブを引き離しました。
犬に噛み付きたいチョコラブは私を振り解こうともがき、
服は破れ、あちこち打撲し、肘は出血、手首は捻挫。
それでも一瞬の隙をみて愛犬を肩に抱き上げたときの安堵ときたら。
執拗に飛びつく犬と目ヂカラ勝負。チョコラブは去りました。
目撃した酒屋の奥さんも、道路工事のおじさん達も、
皆「飼い主に文句を言うべきだ!」と怒っていましたが
パトカーが到着した段階で動物病院に急ぎました。
奇跡的に無事を確認され、ほっとしましたが
トラウマになったようで仲良しの犬とも遊ぶのを怖がります。

あとで交番に御礼に行ったら、その非常識なチョコラブは
同じく非常識な飼い主らしき者が黙って引いていったとか。
次々出てきた近所の人も、お巡りさんも、
何も言えなかった(あきれ果てて)ようでした。

実は、飼い主「らしい」人には、車で探しているとき会っています。
ぽかーんとリードと首輪を持って立っていたのです。
窓を開け「この辺で茶色いラブラドールを見ませんでしたか、
うちの犬が襲われたのです」と声を掛けたところ
「うちにいます・・・」と言っていましたが探す様子はなし。
もう、どの家か憶えていないし、同じ道を歩くのは、いやだ。

不幸中の幸いで相手はラブラドール。
素手で戦えましたが、それでも怪我はしました。
けれど、相手がドーベルマンであっても同じことをします。
どこの世界に、我が子として可愛がっている犬が襲われ
「噛まれる」とか「怪我をする」と見捨てる者がおりましょうか。
人間の子どもに置きかえた場合、どの母親も、
叫ぶ以外に、身体が自然に動くのでは、と思います。

当然謝罪も何もないので、私は病院に行っていません。
肘はまだ痛むし、服はもう着られません。
手首も時折、ずきんとします。
でも・・・君が無事で良かった。今日も元気で良かった。

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2005/06/21

過去ログ77

044:香 五十嵐きよみ様
   (4)空欄を埋めてみても
 自意識は人に見せたくないものを耳のうしろでミモザが香る
アカシアの季節です。ミモザは白、と思うのはきっと、この辺の
街路樹をアカシアと誤解しているから。ニセアカシアなんだよね。
アカシアという言葉は、つまりそれほどイメージが揺れるので
ミモザとしたのは正解だと思いますね。私も使ったけれど、
やはりあの花はミモザと呼びたいのですよ。

047:大和 五十嵐きよみ様
 大和煮の空き缶ひとつ捨てられて雨水をためている草むらに
続いてきました。草むら、雨上がり、捨てられた缶詰(しかも大和煮)。
ちっとも美しくないのに、心に留めて詠めばこんなに新鮮でした。

027:液体 落合和男様
 皇室に女帝現(あ)るべし液体に属す胎児と乳となみだと
いいだろう、母は男児も女児もなく産褥の床堪えてきたんだ。
それを、たまたまそういう身分というだけで世間が騒ぎすぎ。
まだ子どもじゃないの。本人だって順調に育って、いつか考えるよ。
「胎児と乳と涙」の並べ方が上手です。

021:うたた寝  minto様
 うたた寝はこくり雛罌粟てのひらは皐月の風にゆらゆらゆらり
ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君も雛罌粟われも雛罌粟 を彷彿とさせ
しかも、もっと柔らかな情熱がしっとり燃えている。
晶子の歌の中でこれが一番好きでした、はい。

004:淡 藤苑子様
 淡紅に染めたる爪をかざし見る未だ私も乙女を持ちぬ
私も久々に染めました。やっと私の指に戻りました。女には、その気さえあれば
いつでも乙女に戻れるものがありますね。

077:櫛 中村悦子様
 宿世とて来世とて手放しはせぬこの官能の櫛おみなならばのう
そうよのう、と相づちを打ちたくなります。官能は生命です。どんな人でも。

050:変 折口 弘様
 君のまま変わらずにいてくれるなら 僕を忘れる許可証出しましょ
やだ、許可なくても忘れるか、あっても忘れないかだわ。そんな優しい言葉
本気で別れたなら胸の奥にしまっておいてください。というより、あなたが
私を忘れてくれますように・・・なんて返事をしちゃいました。

028:母 和良珠子様
 母になるとは獣(けだもの)に還ること おもねるものはみな噛み殺す
いいですね、力強い無敵の母性。私なら結句は「喰い殺す」としますが
それは私の方が凶暴だからでしょうね。
母ではありませんが、気持ちとしては、よくわかるお歌でした。


今日のログはここまで~~
自作もまとめたし、優秀優秀。今日は帰宅早くて
明日朝アイロンする制服を洗ったんですよ。
お風呂の残り湯がないので2度バスの贅沢はできないの。
お酒はカロリーハーフの檸檬チューハイ
そんなに飲みたいのかって?なんとなくね。暑いからね。
今日はきっと25度ぐらいだったと思うよ。
洗濯を乾かしたいので除湿器フル回転。涼しいわ。

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儚く散るもの/捨て台詞

また自作が放置したままなので、ちょっとまとめます。

   ☆儚く散るもの☆

071:次元
 故郷棄て潮騒のみを追悼に二次元となる祖母の紫陽花

072:インク
 ゲートインクライマックス命運を賭け駆け抜けよ桜の舞台

073:額
 鼻先にたわむれのキスはにかんだ君の睫毛が額かすめて

074:麻酔
 優しさで誤魔化す別れされど別れ そんな麻酔は効かなくていい

075:続
 夢で逢う君 寒くて目覚めてしまう キスの続きの体感温度

roseblue-i2

   ★捨て台詞★

076:リズム
 憎らしいあなた姑息なニヒリズム気取るマザコン男のくせに

077:櫛
 べつべつに帰る朝ならなおさらに手櫛のへたな男は嫌い

078:携帯
 無視しても消してもあなたからメール常に携帯している嫌悪

079:ぬいぐるみ
 添い寝ならぬいぐるみとで十分よシーツの温度ぬるくしないで!

080:書
 宛名には見慣れて見たくない書体あなたがきらい文字さえきらい

いやなテーマですが、捨て台詞の方はかなり実生活からの描写です。
改めて見ると、いい生活してなかったなあ。
丹羽まゆみ様主催「わいわい歌会」に参加させて頂き、
その際kamome様から「憎」という文字が前回も出ていたことについて
ご指摘を受けたのですが、この辺が根底にあるわけです。
そろそろ忘れたいけれど、なかなかそうもいきません。
胎内に巣くう猛獣のように私の中にある憎悪。
これがもう少し消えてくれたら、歌も変わると思うのですが・・・

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2005/06/20

過去ログ76

095:翼 ピッピ様
 翼なら子宮の中に置いてきた 痛みを知れば飛べると思った
翼で飛びたいお歌はかなり多いのですが、この「子宮の中に置いてきた」と
続く「痛み」にどきり。生々しくも斬新な観点だと思います。

042:官僚 里坂季夜様
 官僚になりきれなかった友の弾くブルーズ 氷は溶けて真夜中
このお題ときたら、これでもか、ってぐらい官僚こてんぱんなのですが、
こんなに切なく優しいお歌ができるなんて。特に後半大好きです。
時間の経過を氷の溶け具合でもってくるところが佳い。

077:櫛  落合朱美様
 髪を梳くしぐさに魅入るおぼろ月櫛に絡まるひとすじの妙
和風かつ美しい、梳る女。この髪は是非黒髪であってほしい。
私みたいなよくわからない髪色は、だめです。梳るにはつやのある美しい髪。
和風の挿絵のカレンダーにでもしたいですね。
短歌入り、12枚めくりで出しませんか?12人集めて。

014:主義 兵庫ユカ様
 ちらちらと見え隠れする「主義」という趣味 武装しているだけのひと
軽々しい「主義」を痛快に嘲笑する、気分のいい詠みっぷりです。
「主義」が「趣味」であり、そんな主義は「武装しているだけ」恰好良い。


043:馬 三宅やよい様
 パドックをめぐる鋼の馬達を螺旋に繋ぐ無冠の系譜
049:ワイン 三宅やよい様
 重馬場の飛沫を浴びる騎手ならむ薔薇とワインをこぼす夕暮れ
いいものみ~つけた♪というわけで並べてみました。馬、好きです。
勝つ馬も好きですがGに出られない馬でもうんと好きな馬がいます。
今ならイエローパピヨンなど、名前だけで応援していますね。
まず「馬」のお歌ですが、サラブレッドの過酷な世界をよく表しています。
血統がものをいうとはいえ、全て名馬かというとそうはいかない。
姉:ダンスパートナー、兄:ダンスインザダークの麗しきダンス兄弟で
高値だったのに名を残さず終わった仔馬もいましたし・・・
逆に繁殖牝馬などは、現役時代せいぜいGⅢどまりで気性のいい馬が
優れた仔馬を残すこともありますね。
「ワイン」では一転、情緒的で躍動的で美しい世界です。
2首見つけて「しめしめ」と思いました。おいしい。

072:インク 青野ことり様
 硝子軸のつけペンみづいろのインク 涙の染みのよぢれもどらず
道具立てがいいですね。ひとつひとつにこだわりが感じられます。
色彩もブルーのグラデーションで統一されて美しい。

033:魚 林 ゆみ様
 ひたひたと山椒魚が這いまわる感覚だけの望まぬ愛撫
いや、やめよう。同じ女として。そんな男とベッドに入りたくないわ。
やめたくても現実論として無理な場合(結婚してたり)は困るけど
アロマバスに避難して、2時間ほどたてこもって、山椒魚を追い出しましょう。

021:うたた寝 佐原みつる様
 老犬のひかりの中のうたた寝に吸い寄せられる手のひらに春
うちのは若犬だけど、わかります。うたた寝している犬は何ともいとおしく
日だまりの匂いがして、触れたくなるのです。その温かさはまさに春。


今日は豊作でした。このログ、よかったです。
でも、まだ私、ここでもいるんだ・・・
自分が出てくるのもあと少しです。もうすぐ消えるでしょう。
ラストに犬のお歌を採らせて頂きましたが、実は私長いこと愛猫家
飼うならロシアンブルーと決めていたのですが
あるいきさつで、繁殖の知識がないまま生まれて相当育った
ミニチュアダックスの子犬を飼うことになりました。
彼はディータと名付け、1週間うちの子として過ごしたあと
家族の居るちゃんとした家に、望まれてお引っ越ししました。
人気犬種ゆえの人間の罪。でも元気そうだったし、
今も元気にしているようなので、ディータは大丈夫でしょう。
うちに迎えたとき、7~8ヶ月だったと思います。

その後寂しくて、別の犬を探し、今の子がうちの子になりました。
飼ってみると犬も可愛いのです。性格は猫に似ていました。
勝手気ままで、人をからかうのが大好きな愛犬。
私みたいな猫型人間が犬を飼っていることでよく驚かれますが
なんのことはない、猫型人間と猫型犬の共同生活です。

今日のお酒は「気の抜けたビール」でした。ぶーぶー。
しかし、ビール苦手な私には飲みやすいのですよん
炭酸と苦みの相乗効果が消え、くくく~っと飲めます。本当に。
あけたまま、一晩冷蔵庫で冷やすだけです。
これは、夏にいいかもしれない!

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2005/06/18

過去ログ75

023:うさぎ(再投稿) 屋良健一郎様
 不器用なとこが愛しい弁当に片耳だけのうさぎは座して
うさぎりんごが、上手に作れない。それが愛しいというのも愛でしょう。
だんだん、うさぎりんごを入れられることを好まなくなったりしてね。
弁当箱を開けたら、ちょこんと片耳のないうさぎりんごが座っている。
ほほえましくも可愛いです。

016:たそがれ 落合和男様
 はなびらのしめりやわらかたそがれて女子の靴下いつ黒色に
数年前からあのルーズソックスは減っていましたが、地方では最近まで健在で
ようやくスマートに落ちついたところです。あれ、どう処分するんだろ。
やっぱり捨てるしかないでしょうね。
正しくは紺ハイソックスなんだけど断然かわいい。
ルーズソックスのない世代でよかったあ。
一度ヤマンバ全盛期に、ウガンダのような女子校生と遭遇して腰を抜かしました。

026:蜘蛛 和良珠子様
 おとこたちが母性を謳うたび胸の裏でかすかに揺れる蜘蛛の巣
よく母性の魔性の癒し系の・・・って雑誌に出ているけれど、男の観点ですよね。
あんなの意識してやったらただの変な人でしかないわけで。
女の視線から詠んだこのお歌の「蜘蛛の巣」がすごく雄弁です。

003:つぼみ 小野伊都子様
 むすんだらまたひらいてね花びらはつぼみがしてた約束の色
フレッシュでかわいらしい。いいですね、清々しい気持ちになります。
優しい言葉を優しい表記で綴って、少しもいやらしさがない。


久々の更新となりますが、とっても少ないですね(汗)
ちょっといろいろありまして、まだ本調子ではないのですが、
何とか更新できる程度には回復しております。
無理してビールなんか飲んでいますが、寒いです。苦いです。
甘いお酒がいいんだけど、製氷器が馬鹿になって動きません。
明日も駄目だったら製氷皿を使います。
寒いけれど、ぬるいお酒は飲みたくないのです。
最近のヒットは、カシスとウォッカをシェイクして
ウーロン茶か紅茶で割るもの・・・リキュールは好みでね。
甘味が少し抑えられて飲みやすいのです。
ピーチ系なら紅茶があわせやすいかも。
あと、ミドリとテキーラをシェイクしてパイナップルジュース割りも。

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2005/06/12

過去ログ74

070:曲 M.東矢様
 おのが身のいまだけがれぬ曲線をほこり給へよ夏の人魚たち
結句の字余りが潔いです。無理に字数を合わせるよりも、ここは
言葉の勢いを採りたいところ。瑞々しさの中にほんのり色香が漂って
危うげでもある。

071:次元 中村悦子様
 n次元のnを盗んだエッシャーが永遠に描き続けるエデン
脱帽もの。n次元だなんて、短歌にこうもすんなりはまるとは思わず。
で、描き続けるのがエデンなのも、古典との融合というのでしょうか
いい味を出していると思います。

063:鬼 織田香寿子様
 嫁われは痴呆がなせる業なりと姑(はは)を認めつつ鬼となりゆく
いたたたた。真っ正直な感情でいえば、まさにこのとおりなんでしょうけれど
赤裸々に感情の揺れを歌われると、どきっとします。
姑って所詮血のつながりがないので、嫁という立場だけで痴呆症の介護をすると
それが認知症のせいと知っていても鬼(=腹立たしい感情)になってしまう。
でも、それを「鬼」と言えるうちは大丈夫かな、とも思います。

036:探偵 八香田 慧(ようかだ けい)様
 警察と犯罪組織が両隣すきま埋めます探偵稼業
こういう設定の探偵小説がありそうな感じ。実在したら、警察も犯罪組織も
お互い大ぼけ大賞確定なんだけど。この、ありえそうで実際にあったら怖い
絶妙な空気感がいいですね。

016:たそがれ 美里和香慧様
 ふらふらと過ぎ行く春は嘘いちみり分の重さもなくて たそがれ
結句「たそがれ」前の空白が効いています。いちみりと平仮名表記にしたのも
1㎜と1㎎の両方を感じさせて巧いと思います。
字数でなく57577に照らし合わせるとやや破調になる点は否めませんが
私もよくやるので。

074:麻酔 ピッピ様
 白昼夢午睡の麻酔解けなくてあなたのいない日暮れに裸
結句の「裸」が余韻をぐんと深くしています。時間が白昼→午後→日暮れと
徐々に経過しているのですが、そのなかできっとずっと裸体のまま。
連作の絵画のようなエロティズムを感じます。動画じゃなく、絵画。


今日も収穫は少なめです。
天候もじゅくじゅくと不快指数が高い、湿度びっしりの状態。
ラベンダーのアロマポットを焚いて気分をすっきりさせようとしています。
でも、香水のバニラが強すぎてあまり香りを感じません。
ラベンダーはニュートラルに効く万能アロマなので、
ヘビーローテーションになって1本だけ減りが早いのです。
アロマにもアッパー系とダウナー系があって、
調子を考えずに使うと、効果がないどころか逆効果になります。
今日の私は、どちらかというとアッパーが必要なんだけど・・・
まだ夜も長いし、ひとまずラベンダーで様子を見ます。

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2005/06/08

過去ログ73

067:スーツ M.東矢様
 ぎこつなくスーツに犯され春を過ぎゆくゆく大人ぶただいたづらに
068:四 M.東矢様
 性欲を持たぬしづけさ四つ足の無防備にあれやはらかきほど
069:花束 M.東矢様
 夏の夜に狂気のごとく花束をたくらむ君は百合にたくして
同じ作者様、3連発。どれも色合いが違って「これ!」って決められず
しかも1首1首を見ると全部好きなので、仕方ないですね。
一番印象的なのは「四」のお歌です。
この方は独自の言葉遣いがお上手ですね。「スーツに犯され」とか。

015:友 美里和香慧様
 ぺっぽんとビードロ友禅鳴らしてた耳元カラリ硝子坂 君
和服の似合うお歌です。ぺっぽんという擬音も新鮮。「びいどろ」と
平仮名も素敵なのですが、平仮名が連続してしまうので、片仮名で正解。
ビードロ、ガラスの片仮名が硬質な美しさをもっています。

043:馬 五十嵐きよみ様
 わたくしの海馬をいつか震わせる未来の記憶のようなさみしさ
震わせるのは「いつか」という未来。この伏線が効いているので
「未来の記憶」が活きる。わたくし、さみしさと発句と結句が
ともに4文字の平仮名であるのも佳いと思いました。

063:鬼 飛永京様
 指のないお地蔵さんに仏手柑(ぶっしゅかん)ひとつ供えて鬼っ子は去り
ちょっと禍々しさというか、日本の昔話の挿絵にありそうな不思議な感覚。
固有名詞がすごく印象的で、たとえば墨絵の中にそこだけ、柑橘の橙が映えて。

015:友 ケビン・スタイン様
 カシオペア給水塔を越えた夏ただの友とは言えなくなった
時間の経過を、夏の星座と給水塔で表現しているところがいいですね。
若々しい、例えるなら校舎にいるような姿を容易に連想できる。
ただの友とはいえない、という言い回しもまた若い。


今日は、最近の中ではこころもち多めに採れました。
しかもどうやら、たまたま私がログを見ているときの気分で選んでおり
別の日にやりなおしたら、違うお歌がひょこひょこ顔を出しそうです。
スローな更新をしている結果、常に過去ログが10個ほど溜まっています。
ブログなんだけど、本店の更新もままならないので、
ここで題詠マラソンに関係しない私の日常を書いても仕方ないし
そんな状態で今月の更新速度はびっくりスローペースです。

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2005/06/05

過去ログ72

065:城 津山 類様
 日と翳り城をふたつに割いてみせ石の静寂のなお深まりぬ
端正な歌いっぷりと素材の硬質なところがマッチしていいですね。
言葉を選び抜いた透き通るような硬度と、凛とした光景が素敵です。

008:鞄 百田きりん様
 君がいるよりもうれしいこの部屋に君の鞄がころがっている
うまいなあ。鞄のお題から、こうもってきましたか。確かに、いるだけと
住んでいる(あるいはまた帰ってくる)のでは大違いですからね。
脱ぎ散らかした服ではなく鞄なところが、けっこう長い生活感を漂わせ
成功していると思います。置き服はしても、鞄は置いていかないだろうし。

083:キャベツ 白玉だんご様
 地平よりフレンチナッツステッチのさみどりが来るキャベツ高原
キャベツのまるまるした姿をきれいな言葉で表現できています。
刺繍がわからないと、なんだそれ?ってなる可能性もありますが、
固有名詞を理解しないのはできない人のボギャブラリー不足なだけで
こんなにぴったりくる言葉なら、どんどん固有名詞出して欲しい。
わからないのは別に良いんだけど、わざわざ批評として、ときどき
「意味が分かりません」と書く人がいる。自分の底を晒してると思う。
少なくとも名詞なら辞書引けば見つかるわけだしね。
そういう場面に遭遇していると固有名詞の持ってきかたに
躊躇してしまうことがありますが、このお歌は、実に潔いです。

013:焦 篠田 美也様
 夜もすがら降りやまぬ雨 しろがねのやはらかき音に焦らされてゐる
すごく端正な美しいお歌だと思います。「しろがねのやはらかき」まで
一気に仮名なのも素敵だし、色合いが水墨画のように限定された情景が
なんともいえず美しいですね。夜の黒、雨のしろがね、そして音だけ。

053:髪 ピッピ様
 黒髪に鋏を入れるいのちから最も遠い血液ながれる
うまいこと(いい意味で)裏切られた気分です。言葉遊びのような
文字詠み風のお歌も素敵なのがありましたが、こういうのもいい。
底の深い、自由な歌風を確立していらっしゃると思います。


今日も少ないな~(溜息)
同じ方がいっぱい並んでいると、全部はとれないから辛口になって
結果採らないこともあったりします。自分でもやっちゃったんだけど、
連作でない限りは、あまり勢いよく出さずに
ちょっとずつ間をあけて出す方が印象に残るかもしれないです。
個人のお歌だけ100集めたら、今回採っていないお歌でも
好きだと思うのがいっぱいあると思います。

本日は本店のトップページをイメチェンして遊びました。
コンテンツを整理して新しいページができるようにしないと・・・

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2005/06/03

過去ログ71

020:楽 佐原みつる様
 シンバルは春の終わりを告げるもの飛び立つための音楽がある
ログのトップだったんだけど、ぐんと胸に入ってきました。今回点が辛いのに
ここまでがつんと印象が強いと、降参ですね。シンバルの音ひとつだけで
素晴らしい説得力を持ちながら、決して解説的ではなく作者の世界になってる。

097:静 寺川育世様
 てのひらがどんどんうすくなる夕べ静脈に銀貨奔りゆくみゆ
099:動 寺川育世様
 新生児しづかにねむる暁の動脈に金貨奔りゆくみゆ
これはもう、対のものとして楽しむしかないでしょう。静脈の血は銀、
動脈は金という対象も美しいし、新生児と「てのひらがうすくなる」
生命力の対比も見事。どうせならお題に無関係で、並んでいてほしい。

060:影 飛永京様
 宵闇に溶けてゆくゆく影法師ほたるぶくろを手にしたままの
溶けて「ゆくゆく」の音の響きと、ほたるぶくろ。柔らかくて綺麗です。


はい、今日はこれだけです。少ないな~、辛いな~
うんと好きなのを探していたら、どんどん辛くなってしまって。
そういうログもあるんだと思います。はい。
好きな方のお歌だと欲ばってしまって「もっといいのあるかも」って
飛ばしてしまっていることもあります。

6月に入って初めての更新。いや、毎日は、ちょっと無理っぽいです。
ブログだから、日記だけでもいいんだけど、
私の日常を書いても仕方ないしねぇ・・・

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