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2005年7月

2005/07/30

過去ログ87

久々に更新です。

066:消 前野真左子様
 留守電に間違いひとつ 呼びかける声優しくて消しかねている
柔らかく温かい、丁寧なメッセージ。間違い電話なのだけれど、
声の主に親しみを感じる、そんな声。ぽかぽかしたお歌ですね。

034:背中 中川佳南様
 もういいと突き放しては抱きしめる細くて寒い男の背中
突き放しきれないやさ男が目に浮かぶ。吹っ切れるのか、結局捨てるか
何度も迷い続けることになりそうです。

062:風邪 常盤義昌様
 流行といへば風邪のみ乗るやうな男のシャツの格子模様は
流行を追うより、むしろこれぐらい堂々として頂きたいものです。
潔くてかっこいい。

067:スーツ 常盤義昌様
 腕まげてスーツに袖を通すとき男はつねに傷をもつ鳥
これも、男っぽい潔さを感じます。みずからを「傷をもつ鳥」と呼びつつ
袖を通す姿は、むしろ猛禽類の飛び立つさまを彷彿とさせます。

044:香 内田かおり様
 付けすぎたコロン目覚めて香り出しアイロン掛けのワイシャツ揺らぐ
これはよくわかります。香水は温めると再度香り立つので、ほんわかとした、
まあるくなった匂いが広がるんですよね。

022:弓 方丈いほり様
 行燈が照らす階段上り切る弓張りの月夜桜序章
漢字が多いのですが、不思議なぐらいうるさくない。特に結句が好き。

044:香 篠田 美也様
 沈丁の香の厭はしきゆふぐれは肌痛きまで髪洗ふなり
肌痛きまで~の流れが好きです。いい香りのはずが、本当に厭わしく、
せっせとシャンプーするその香りに呑まれていく。でも、痛い。

006:時 さお莉様
 腕枕されて眠れば腕時計秒読みしてるフたリノなニカ
感心した。結句の片仮名遣い。すごいインパクトです。

096:留守 M.東矢様
 留守がちの庭に貴(あて)やかなる夏椿たとへ誰かの為に咲かずとも
すごく字余りで破調なのに、魅力的で削るべき言葉が見つからない。
ときに言葉に妥協せず、かたちを崩すことは、こんなに美しい作品を生むもの。
椿の小振りな花が凛と咲きます。そこだけ涼しげな夏でした。


ひきつづき、本歌取り、やっています。
ただ、今日はこちらにまとめる元気がない・・・

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2005/07/26

本歌取りVol.4 Tenchi-Tennoh

天智天皇(てんちてんのう)

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
 ↓
黄金(きん)の波消えた田園地帯から孤独ひしひし心が濡れる

朝露もしのぎきれない旧い部屋おもかげ偲び5年目の秋

帰りくる我がひとつ身の袖濡らし秋深みゆく刈穂の静寂(しじま)

虫だけは避けて刈穂のあらみ庵おんなの肌を濡らす露あるか

静寂を愛でよ落ち穂を拾う娘(こ)らの枯れた指見つ秋つゆ沁みる


難しい。でも、一生懸命やって、100首揃えたいのです。
ここで詠みつつ10ぐらいずつ本店に移して~
本当は本店の作業なのですがこちらの方がコメント、トラバが簡単。
なので、過去ログの勢いも落ちてきているいま、
ゆっくり古典と絡まっていきたいと思います。

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2005/07/25

本歌取りVol.3 Ukon

第三弾は右近です。調子に乗ってがんがん飛ばしています。
仕事でどうしても、って時以外は、続けていけたら、面白いし勉強になります。
右近あたりは、まだ心情が理解できる範疇なので、
前のお二方に比べるとすんなり5首の試作が出来上がりました。

忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
 ↓
追憶のかなたにも我がおもかげを抱かぬあなたを偲び伏す床

病床の吐息で消してこの契りあなたへの愛わたしは悼む

忘れられ棄てられる我が宿命(さだめ)など構わぬ誓い いとしいあなた

ともしびを寄せよ消えゆくそのいのち祈りに変えて私欲を捨てて

執着はすまいと決めた末期とて 未練か恋が、いのちが惜しい


問題は「本歌取り」の定義でありますが、
私の中では(あくまでも個人として)
 1 本歌の言わんとすることを自分の中で整理し
 2 キーワードをどれかひとつ決め
 3 自分の言葉と自分ならではの思いを重ね合わせていく
ものが「本歌取り」だと思いこんだまま詠んでいます。
もちろん、私のしていることはむしろ邪道なのですが。。。
こうやって100首出そろったときどれだけベティ色に染め変えられるのか。
古典を冒涜してるのか?と言われそうでもありますが、挑戦です。

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2005/07/24

本歌取りVol.2 Tsurayuki

昨日に引き続き、mako様のブログで本歌取りをやっています。
今日は紀貫之です。小町も辛かったけど、これまた・・・

人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける
 ↓
わたくしを避ける目線を黙らせて変わらぬ鎧 CHANEL №5

ハマナスと潮の香満ちるふるさとよ我を知るひとおらぬ静寂

未来にも繋がれさくら忘れられいつの春にかよみがえるよう

仮面かと思う知らない顔の群れ我が孤独にも桜はひらく

記憶では山梔子の香が流れてたひとり見上げる月煌々と


今日は5首。4よりは良いかな。
百人一首のお歌は、皆がいちどは触れている分、
自分の色をどう重ねるかが非常に難しいと感じました。

mako様へ☆
Komachiの媼の歌、気に入って頂けて嬉しいです。
何だかうまく言えないんですが、女性の魅力としては
閉経前後で変わってくると思うんです。
生殖能力を失ってからは、セクシャルな面ではなく
パーソナルな面で魅力が出てくるのではないか、と。
人格的に熟成されてゆくゆえ、年老いた人で美しいひとは
本当に内面からにじみ出るように美しいと思います。
うーん、若い頃の美しさが「きらきら」なら
年老いては「じんわり」って感じ?

馬鹿なことばっか言ってないで、気持ち引き締めないと
手強い3人目が登場しそうですわ~

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2005/07/23

本歌取り Komachi

mako様のブログで「本歌取り」をやっているので、ちょっとお試しに。
最初はこうでした。

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
 ↓
栄光は過去と知りつつ縋る性(さが)鏡を閉ざす花のかんばせ

で、アドバイスを頂いた点も推敲して、並べてみます。


栄光は過去と知りつつ縋る性(さが) 鏡を閉ざす花のかんばせ

散ってこそ桜うつくし媼ひとり薄緋に染まる街道をゆく

袖にするこころのゆがみ恋をしたおとこはもはや他の花の水

花よ花よ枯れねば残せない種を識(し)るか現世(うつしよ)に響くうた


4という数で切るのは好きじゃないのですが、これ以上どうしても
発想が広がってこない。。。小町、手強し。

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過去ログ86

059:十字 前野真左子様
 山法師白き十字に花載せて一途に空を 空だけを見る
結句の響きがきれい。色合いもぐっと絞られて、和風の美しさですね。

087:計画 望月暢孝様
 十字架に似た電柱の根をめがけ計画的に来るユダは犬の名
後半、やや字余りですが、ユダが犬なのが面白い発想です。
電柱にマーキングしに来る犬の姿を、裏切り者に見立て、そこから
電柱をキリストの象徴である十字架に見立てていくという
結句から進んでいく流れでしょうか。

012:メガホン 水須ゆき子様
 ひとつずつメガホンを乗せ貝を乗せスチール椅子が座礁する
メガホンと貝って、かたちが似ていますね。運動会などのずらり並んだ
スチール椅子が、メガホンを貝に見立てたことで座礁するという、
発想の豊かなお歌。

夏057:制服 常盤義昌様
 鉄道の窓の鏡となる夜を自我とは丈のあはぬ制服
後半の言い回し、好きです。自我の方がきっと制服からはみ出している。
なぜなら制服って自我を征服するものだから。

051:泣きぼくろ 愛観様
 ぽっちりと寄り添うひかり今夜だけ泣きぼくろだね月と木星
これは凄い。背景が濃く、天体は輝いているのに、そんな中で形状から
「泣きぼくろ」って通常は黒いものに見立ててしまう。「寄り添うひかり」も
優しい仮名遣いでいいと思います。

070:曲 もりたともこ様
 鏡面にうつる見慣れた曲線にふたたび紅をのせる黎明
この曲線はみずからの唇の線ですね。目覚めて、化粧気のない顔から
一気に「生活している」顔に変化する瞬間。口紅って不可欠な衣類のような
そんな存在ですね。ないと、外に出られない。

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短歌バトンの「すきなうた」

のびのびになってしまいましたが、あらためまして。

1 ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君も小罌粟われも小罌粟 与謝野晶子
2 幼らに気づかれまじき眼の隈よすでに聖母の時代は過ぎて 中城ふみ子
3 失ひしわれの乳房に似し丘あり冬は枯れたる花が飾らむ   中城ふみ子

晶子は、多いので絞れないのです。そうなると夭折したふみ子が有利?
もちろん、晶子の歌にも、大好きなのがたくさんあります。
しかし「特に」印象的なものを、3首に絞ると、こうなりました。
ふみ子については同じ北海道の人で、共感する部分も多いのですが
特に「幼らに~」のお歌は印象が強かったです。
もっと柔らかいお歌もたくさんあるのですが、こういう作風の方が
好みに合っているとでもいいましょうか。

頭の回りが悪いので、返歌?などを・・・(ただの無礼者だ)

 1 車窓越し染まる雛罌粟燃えるいろ逢いたい逢いたいあなたもわたしも
 2 子供らに見とがめられるな目の隈よ恋は聖母を娼婦にもする
 3 ただの皮膚見下ろす先に雪の丘飾られた花枯れゆく孤独

返歌ではないですね。詠み直しです。はい。
さ~て・・・眠るお時間ですか、わたし。


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過去ログ85

062:風邪 仁村瑞紀様
 部屋によぶ口実だろうその風邪は 桃缶ひとつコンビニで買う
口実でも行く愛。ただし見舞いは桃缶なのが、おちょくり入っていて好き。

052:螺旋 常盤義昌様
 愛あらば…硝子のごとき階段の螺旋をのぼる薔薇の降るなか
ハードボイルド系の中の「甘さ」を持つ男の美学。降っている薔薇が、
思い人の仕業であるのか。
053:髪 常盤義昌様
組みふせば夕べの海のほのあかく汝がやはらかき髪はひろがる
「ほのあかく」の仮名遣いがエロティック。襦袢の緋や鴇色を思わせるのです。
組みふせる、という情熱も好き。

002:色 石川昌治様
 海に沈む夕陽金色撒き散らし何故だか君は蒼く透けてて
ちょっと位置をずらし、色彩を並べました。こちら、海は金色ですね。
後半がそれゆえいっそう危うげに青いのですが、金の光に透けるなら
もっと血色が良くないと、おかしいの?

022:弓 岩崎一恵様
 月は今宵しろがねの弓 わがゆめに鹿の顔持つ男あらわる
神話ですね。弓=月の発想は多かった。でもここまで役者を揃えると
非常に独創的で際立ちます。鹿、欠かせません。

014:主義 美和知空様
 うふうふふうふうふうふふこうみえて裏切り主義の私の明日
前半の含み笑いに怖さがある。「こうみえて」と自称では見えないらしいのが
余計にこの含み笑いの怖さを増幅している。

047:大和 新藤伊織様
 蹴散らして蹴散らしてまた着ぐるみん大和の国にマンバ上陸
着てもいいんだろうけれどね、寝間着でお出かけはいけないな。

022:弓 瀧村小奈生様
 なんだって跳び越えられるポスターの少女からだを弓なりにして
ラコステのポスターがこの構造です。「天にある何か」を掴むイメージで
あの弓なってしなやかなジャンプが生まれたとか。

015:友 長谷川と茂古様
 ローズマリーを友にたはむれる日々はつなつの陽を蜥蜴は浴びて
前半、人間~と思いきやそうですか~蜥蜴様でしたの~
前半がすごくいいので、後半の流れにもう少しひねり・スパイスが欲しい

054:靴下 前野真左子様
 薄紅のフリルの靴下留めだつた <羨む>といふ最初の記憶
今で言う「キャットガーター」ですね。当時、長靴下を留めるには、必ずガーターが
必要だったのです。伸縮性がないから。誰かの美しいガーターに目を奪われ
「素敵」と思った少女時代。はじめての嫉妬でしょう。

089:巻 中村悦子様
 かの国を想えば透けてゆく身体 輪廻には巻き取られたくない
後半の強さと、前半の過剰なまでのフェード。どの国かいっそ明記すると
ふわふわの印象に血が通い、骨が生え、皮膚がついて「活き」ますね。
090:薔薇 中村悦子様
 薔薇の邪眼に射すくめられて二つ目の肋差し出す、俺だけのイブ
どきーん。いろっぽ。二つ目の肋骨、貰ったらどれほど嬉しいでしょう。

097:静 飛永京様
 寂しさは硝子の部屋の三人や二人静や一人静や
淡々と、寂しいものを並べただけ。それでも美しいのは二人静から
植物になっているから。人~花~花の流れが良い。

090:薔薇 M.東矢様
 別れゆくあなたの部屋に一輪のせめて黄薔薇の咲きますやうに
黄色を持ってくるところが憎い。それだけの憎悪とも未練ともつかぬ感情で
別れて別々になるのでしょう。


今日は、ここまで~
なんかペースがあがってくれないにゃ~

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2005/07/18

かぞえうた

ひとつとせ 独り善がりの恋ゆえにひしひし痛む胸の古傷

ふたつとせ 不埒なまでの微笑みでふたり得がたき君をいざなう

みっつとせ 見境もなく飛び込んだ蜜の苦さよ 引き返せない

よっつとせ 夜半に抜け出す部屋ふたつ4時間だけの逢瀬に向かう

いつつとせ 言うに言われぬもどかしさ「いつまた逢える?」未来は未定

むっつとせ 胸元に咲く紅い花 ムスクの香り さあ嗅ぎにきて

ななつとせ 艶めく君の背の汗をなみだで拭う添い寝の一夜

やっつとせ 矢絣の緋は誘い水 やがて襦袢の衣擦れのおと

ここのつとせ 孤立してゆく我と友この溝埋めるおとこおらぬか

とおとせ 「トスカ」のアリア聴いている時にはナルシズムに浸って


mako様「かぞえうた」に触発されて、やってみました。
題して「魔女のかぞえうた」
私が「ベティ」として登場したときの異名が「酔いどれ魔女」でした。
魔女短歌の集大成として、今、推敲なしで、
ぶっつけ本番で詠んでみました。推敲したくなりそう・・・

そんなわけで、おおもとのmako様にトラバさせて頂きます♪ 

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2005/07/17

ブックバトン

kamome様からバトンを頂きました。
ちょうど、眠気がどこかに行っちゃって困っていたので、
即チャレンジします♪

●一ヶ月の読書冊数
 波がありますが、10冊前後。ただし気に入ったものをリピートするので
 「新しい本を読む」のはもっと少ないですね。

●今読んでいる最中の本
 最中で放っておけないので、ありません。
 毎月絶対読むのが(雑誌だけど)「いぬのきもち」「美的」
 絶対月に数冊読み返すのがクリスティー。
 毎月どれか必ず目を通すのは「ハリー・ポッター」シリーズ

●最後に買った本
 雑誌を除くと「メンデ」と「男は火星人、女は金星人」の文庫版。
 後者は「ブリジット・ジョーンズの日記」に出ていたので、
 どんなもんかい、と興味本位で買ったものです。

●よく読む、または思い入れのある本5冊
 1 「ハリーポッター」シリーズ ローリング女史
  ※これで5冊とすると殴られそうなので、1冊とみなす。
 2 「勇気凛々ルリの色」シリーズ 浅田次郎
  ※元気爆発材として愛用。これも1~4で1冊とみなす。
 3 「ファウジーヤの叫び」上下 ファウジーヤ・カシンジャ
  ※ノンフィクションは結構好きですが、彼女の生き方は恰好良い!
 4 「オリガ・モリソヴナの反語法」 米原万里
  ※設定が精密でおもしろい。説得力もある。
 5 アガサ・クリスティー全作品
  ※特にポアロものは、単なる推理小説ではなく教科書として愛読。

●バトンを渡す相手3人の名前。
 これはまだ、思いつかない。っていうかほとんど皆さんに回っていて・・・
 受け取って良いよ、という方募集中です。


現在mako様が面白い題材で詠んでいらっしゃるのを拝読し
是非私も!と燃えています。
明日は留守にするので、帰宅後「かぞえうた」アップします。

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2005/07/15

過去ログ84

059:十字 上澄眠様
 見たことのない十字路だ赤い下駄何処かで何かが死んでいる夏
赤い下駄のインパクトがすごいです。鼻緒じゃなく、下駄が赤なの。ぽっくりなの。
白黒映画の世界にぽん、と色を置く。シンドラーのリストのような世界です。

039:紫 萩原留衣様
 紫の夜に訪れる時計屋は泉に月時計を放ちます
ファンタジーも、ここまで徹すると見事です。色合いもきれい。惜しいのは、
漢字によって詰まった感じになっていることかも。
どこか、例えば「おとずれる」だとか平仮名にすると引き立ちます。

066:消 野樹かずみ様
 春はまたチェルノブイリにめぐりきてしずかに消えつづけるいのちは
ぐん、と胸に沁みた一首です。これが、現実として起きていることなのだ、と
揺さぶられたような感じでしたね。

098:未来 麻生智矩様
 もう二度と恐れずにゆく 出遭うのがどんな日々でも「未来」と思う
きっぱりして、恰好いい。それ以上の言葉はいらないと思う。

005:サラダ 水須ゆき子様
 たんぽぽのサラダに多く含まれるうさぎ成分は炎症に効く
一見かわいいファンタジーかと思いきや、難題である「うさぎ」をここに
さらっと詠み込んでしまって違和感を感じさせないなど、実はすごく
難易度の高いお歌に仕上がっていると思います。感心しました。

031:盗 常盤義昌様
 いつはりの愛にあらねどわが咽喉はあはれ盗泉のみづをよろこぶ
ごっくん。間接的な官能。男性の艶は堪らないです。
046:泥 常盤義昌様
 靴底に泥は乾きてこぼれ落つ 死にたい理由は生きたい理由
2首目です。こちらは、うってかわってさっぱりした詠み口。
結句、ありがちかとも思いつつ、前半が効いていてすごく新鮮なんですよね。

052:螺旋 田丸まひる様
 必要はないけど嘘をつきました螺旋ほどけていくクレマチス
不必要な嘘、ほどけるクレマチス。くるくるしたものがたくさん詰まっていて、
螺旋のお題にふさわしいピルエットを完成させています。

087:計画 M.東矢様
 計画は死してひときは美(は)しきこと 時任純子 蒼白に冴ゆ
いいなあ、こういう最期まで美しいというこだわり。できることなら、
自分もそうありたいと真剣に思いました。


今日は、ここまで。
日付はまだ変わっていませんが、土曜〆切のお歌を用意しているところ。
エラーに負けず送信できるように、必死にいま、絞っています。
最近参加者が減ってきているニフティの短歌フォーラム「月例歌会」
ニフのIDを持っていればどなたでも入れますので、
興味のある方は是非、参加してみてくださいね☆

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そして、奔放に

091:暖
 口吻は軽自動車の隙間にて暖気運転鳴らして 鳴らして

092:届
 背伸びして鼻先キスが届かない 屈んできてね 頬冷えてきた

093:ナイフ
 ナイフより爪が貴方を抉ります 浅い傷には情愛の 毒

094:進
 脱がされるための下着を買い換える恋が愛へと進化する繭

095:翼
 赦されぬ恋でそれでも愛しくて翼を手折り堕天使になる

096:留守
 幾度なく呼び鈴鳴らす君よ知れ居留守ではなく愛が留守だ、と

097:静
 待つ者のない部屋膝を抱いている愛することを知る静寂よ

098:未来
 夭折の従姉弟ふたりを見送りて愛は未来に誓えぬと識る

099:動
 もどかしく動かぬこころ責めてみる告白の持つ華やぎと罪

100:マラソン
 阻む者振り解き駆けるマラソンの至上の誇り輝いて、銅


以上で、私の題詠マラソンは完走となりました。
もっと早く更新したかったのですが、右肘を負傷しまして(汗)
だいぶ良くなりましたが湿布の御世話になっています。


短歌バトンでは、快く受け取ってくださった哲さん、
コメントを下さったkei様、謎野様、ありがとうございます。

ここで晶子ではないのですが、私の好きなお歌を紹介します。
 血と雨にワイシャツ濡れている無援ひとりへの愛うつくしくする 岸上大作
 珈琲の香にむせびつつものがたるわが恋がたり聴くひともなし 吉井勇
女性の視点で詠んだ晶子より、骨っぽさが魅力な2首でした。
特に岸上さんのお歌は、私の中のハードボイルド短歌の鑑です。

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2005/07/13

短歌バトン?

kei様から本店にこんなバトンが回ってきました。
で、私、誰に回しましょ~


黒田康之氏より、下記のごとくトラバが来ました。ほかへ回せと言う事で、
あなたへ、またご存知の誰かへどうぞ。

①短歌を始めた動機
②好きな歌人
③好きな歌
④あなたにとって短歌とは

以下、kei様のコメント原文ママ。

私如きものにトラバして頂き、恐縮です。
早速ご返答申し上げます。
①短歌を始めたきっかけは、中学(旧制)時代、宿題に出された短歌を褒められて舞い上がったのが始まりでした。
②好きな歌人は、枚挙に暇が有りませんが、今強いて挙げるなら、やっぱり塚本邦雄(惜しくも故人たなられましたが)
③好きな歌、これまた選ぶのに困るくらい多いのですが、私の睡眠薬的な歌
 *毒の香焚きてしずかに眠らばや小甕の花の崩るる夕べ(柳原白蓮)

中学生時代、「麗人」という白蓮の伝記映画で見た、原 節子の扮する白蓮の、それはそれは美しかった姿に被せて、この歌がナレーションで流れたのが今でも耳に残っています。
眠れない時、それを思いながらこの歌を口ずさむと自然に眠れます。
④私にとって短歌は、生甲斐以外の何物でもありません

で、私の番というわけでした。
止めるのも別に構わないということのようですが、
題詠走っていたとき、いっぱい採り上げて下さった

那賀神 哲様
に、バトンを回そうと思います。(勝手にごめんなさい)
ただ、トラバしたことないので、大丈夫か不安は残ります。
あと、ざっと拝読して他の方からバトン回っていない方に・・・と思っています。

以下、私の回答。

①短歌を始めた動機
 なんとなく、自分でもできるかなあ、と思ったから。31文字だし、
 サラダ記念日が出た後のことで、普通に(難しい言葉抜きでも)
 できそうだったんで、当時はノートに書いたりしてましたね。

②好きな歌人
 与謝野晶子です(笑)
 まだまだあの燃え立つような勢いはないのですが。
 あと、中城ふみ子・・・

③好きな歌
 ダントツ1位。
 嗚呼五月仏蘭西の野は火の色す君も小罌粟我も小罌粟 与謝野晶子
 ただし今手元に歌集がありません(実家に置いてきてしまった)。なので
 文字遣いに間違いがある可能性がおおいにあります。
 次点以下は、誤字だらけで恥さらしになりそうなので後日追記します。
 ごめんなさい。

④あなたにとって短歌とは
 今では、時間、場所を選ばない良い趣味です。生き甲斐とまで言い切ると
 少々私には大袈裟なので「おおいなる息抜き」としておきますね。

どうでしょ、うまくいきますかしら・・・
哲さん、初めて~の実験台にしちゃってごめんなさいぃ~

あと、ですね。
どうも好きな短歌は「3首」が原文のようなのです。
他のブログなど拝読していたら、けっこうそうなっていました。
私は歌集が現在実家にあるので、とりあえずダントツの1首だけで
続きは週明けにまたアップし直します。


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2005/07/10

過去ログ83

072:インク ジテンふみお様
 八時から九時までならば何色のインクで書ける「空」という字は
時間の設定と文字の選び方が素晴らしいと思います。間接的な青いインク。
きっとよく晴れた朝なのでしょう。それも、早朝でなく、完全な活動時間の。

001:声 水須ゆき子様
 梅雨冷えの縁側にたまに落ちている亡き曾祖父の光る濁声(だみごえ)
お待ちしておりました(笑)。でも、それで選んだわけではないです。念のため。
縁側に曾祖父の「声」が落ちている、しかもそれが「光る」なんて、すごい視点です。
黒く濡れた玉砂利など連想してみました。
004:淡 水須ゆき子 2005年06月09日 (木) 00時23分
 生まれない子供の骨の淡さかな葉桜すべて葉となる五月
2首め。葉桜も、遅咲きの花がまだぽつぽつ残っていたりします。
それが全て消えて、ほんとうに花のない状態になっている。そこに、
「生まれない子供の骨」を重ねることで、儚さをより強めています。
葉桜の勢いある生命力と対比することで、活きているのだと思います。

058:剣 五十嵐きよみ様
   (5)ほどけては、ほどけては
 あ、ひかり 胸にひそめた剣からこぼれた刃先のかけらのような
発句の書き方で引きつけられます。音読しても「あ、ひかり」の「、」を含めて
しっかり5文字分の重みがある。結句の字余りと発句の後の空白で
非常に印象深い仕上がりになっていると思います。

018:教室 常盤義昌様
 教室のきみの机に百合の花あかあかと咲く夕べ、夕べは
教室の机に飾られている花というと、だいたいどんな種類のものか
勝手に想像してしまうのですが、その百合が「あかあか」と咲いている。
白くないんですよ。この禍々しさこそが、ほんとうの感情なのでは。
白い花で清らかに悼むのではなく、悔しい、信じがたい感情。
019:アラビア 常盤義昌様
 犠牲死を美化して語るひとの手にアラビアータの絡まるフォーク
この方も2首採らせていただきました。犠牲なのだから、それなりに
美化を許してもいい背景があるのだとは思いますが、次第にそれが膨張し
とてつもなく美しい物語になる懸念と、それに対する警鐘。
アラビアータがペンネでなくスパゲッティなところに俗っぽさを感じ、
緊張感を少し和らげている気がしました。

033:魚 椎名時慈様
 釣り上げて恋までさせて今更に海へ帰すな人魚は無言
人魚は無言。胸に沁みます。いちばん何か言いたい筈なのに。

088:食 今岡悦子様
 そののちの爆ぜる思いを過去としてエソを食みをり蛇に似る魚(うお)
壊疽、ですよね?片仮名なのが余計に怖い。この方のお歌は、
すごく綺麗なものと、このような深い衝撃を与えるものが混じっていて
語彙の豊富さと表現力に感心します。

041:迷 蝉マル様
 生き方に迷いはあらず喉も腹も見せて今宵もガラスに守宮
潔い、覚悟の決まった格好良さがいいですね。喉も腹も見せるのは、
動物の服従の姿勢ですが、それが野性味を増しています。
つまり、すごく男っぽいのです。

015:友 瀧村小奈生様
 地下鉄の線路に友の独白がぽろりと落ちる 拾ってよいか
結句前の空白が効果的。きっと、聞かせるつもりのない内容のひとりごとが
地下鉄の音にかき消されず耳に届いてしまった。聞かなかったことにした方が
あるいは本人にはいいのかもしれないけれど、でも放っておけない。
こんな心の動きがたった1文字ぶんのスペースに集約されている気がします。

046:泥 海神いさな。様
 何ヒトツ信じていません謝らないあたしなんかはもう泥になれ
前半の流れでいけば「あんたなんか」となりそうなところ、信じられない、
謝りたくもない自分が「泥になれ」という自己嫌悪。意外性と同時に
すごくかわいらしい、憎めないふくれっ面を想像してしまうのです。

097:静 秋中弥典様
 バナナパフェ静かな3時過ぎに食べ戦闘服はバニラの香り
パフェ、バニラと甘い言葉に挟まれた戦闘服が際だちます。
これがもし、いわゆる「勝負服」のことだと単純に可愛いのですが
戦闘服と書くからにはきっとそのものなのでしょう。
甘さがむしろ悲壮でもある、印象深いお歌でした。


何だか、ここんとこ、また好きなお歌が増えています。
いっとき5首だけとかだったのが、この数ですから。
完走した方がいる一方で、走り始めた方、休息から復帰する方、
コンスタントに出てくる方などさまざまですが、
これも参加者多数の題詠マラソンというイベントの醍醐味でしょう。
これだけ歌風の違うお歌を一度に味わえる機会はそう多くありません。
あらためて、参加して良かったなあ、と思います。

今日は(あ、日付変わった)自作も少しアップしたのですが
そういえばマラソンの歌で、まだ拾ってないのがあったわ・・・
明日か近日中にまとめます。

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2005/07/09

オマージュ

***優 駿***

仔を持たぬまま逝くも佳し手向花は砂ひと掴み北斗織姫

 夭折の歌人にも似た面差しの優駿駆ける永遠(とわ)の喪失

  血統は絶えて久しく名を遺すはかなきゆえの名牝として

 砂を掻く強きひづめの誇らしさ雨よ降りやれ我が栄光に

いっそ叫ぶ声も嗄れたら楽ですかドバイの夜の非情な神よ

 栄光を夢みたままの眼はうつろ抱かれた頸がもどかしいよね

  奥底で血が憶えてるたましいのゆらぎ砂塵に呼び覚まされて

 今もなお砂の女王は我が異名 一等星のかがやきのまま

1993.11.14 エリザベス女王杯 最期の盾の荘厳ないろ

 悲運とは呼ぶまいひとつ道をゆく君の生きざまただ讃えよう

  2ハロンがこんなに遠い 駆け抜ける日はもう夢の彼方に滲む

 たくましき鹿毛は最期の星を見てなみだは熱い砂に吸われて

優駿の何故か憂えるまなざしよ砂塵のかなた刹那の憎悪

 星となりアラブの風は子守歌 ゆめは儚くうつくしいもの

私の好きな名牝、ホクトベガへのオマージュ。
本店で出しているのですが、今のところ数がこれだけなので
もう少し追加してから、ページにしようと思ってます。

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過去ログ82

013:焦 中川佳南様
 無視という無言の雨よもっと降れ焦らず我は花を咲かせる
「無言の雨よ~」からのくだりがすごく好きです。もったいないのが「無視」と
「無言」が近いので、字の持つインパクトが薄まってしまうのね。私なら
どうするかなと考えたら、「無視という寡黙な雨よ~」ってします。きっと。
もちろん、無の繰り返しを狙って詠まれたかもしれませんし、
あくまで私の勝手な感想として流してくださいね。
009:眠 中川佳南様
 愛消えた男が側で眠ってる我は孤独を愉しんでいる
同じ方のお歌、2つめ。なんか似てるなあ、私に。本当に。
この歌なんて、自分で詠んだかな、と思いましたもの。
どのあたりが、というと、愛情がない状態を孤独として、
相手が側にいるのに修復しようとせず愉しんでいるのが似てますわ。
気を悪くなされませんように・・・ほんと、あくまで私の主観なので。

005:サラダ 実上祐子様
 さみどりのサラダほおばる夏の朝 山羊だった頃の自分に還る
サラダのお題で選んだお歌、自分でも少ないと思うのですが(難しかったし)
これは佳いです。「山羊だった頃の自分」がいいです。

023:うさぎ ケビン・スタイン様
 いつもそう 悲しい夜に思いだすあの夏飼ったうさぎの重さ
これ、涙が出そうです。きっと私もあと15年ぐらいしたら、抱いた犬の重さを
悲しいときに思い出すようになるのだから・・・そう思うと、もっと抱きたくて
つい愛犬を抱きかかえてしまいました。暑っ!

060:影 如月初香様
 灯のしたにうみおとされた仔猫もう影持ちひとりの命はじめる
「影持ちひとりの命」って、素晴らしい響きを持つ言葉ですね。いつまでも
この部分、憶えておこう。そう、いのちを授かったものは生きるとき、
自分だけの影を持つんだもの。いいなあ。ほんと。

056:松 五十嵐きよみ様
 だとしても下車する理由はあいまいな井の頭線東松原
発句がまず、緻密に計算されていますね。それまでの物語を、勝手に膨らませて
気付いたら本当に半端なときに駅にいそう。東松原の地理などはわかりません。
それでも、流れの中の実在小道具として、効果的です。

084:林 M.東矢様
 幾たびも放物線の半らよりあなたへ返る林檎まばゆし
放物線を描くのが林檎であるところに、独特の世界を感じます。
薔薇や花束じゃあ出せないし、ボールやハートでもいけない。
林檎ならではの味が出ています。
085:胸騒ぎ M.東矢様
 ラフマニノフVocaliseのCD見当たらず胸騒ぎして水無月の雨
はい、2つめ。これの一番好き!と思ったのは、いちいちルビを用意せず
流れを区切る障害物をはさんでいないことです。「水無月の雨」まで、
一気に詠みたいですもの。(ルビ)があると魅力半減しちゃう。

041:迷 茶琥チヤ子様
 遠吠えは風に紛れし負け犬は泣かず憎まず悔やまず迷ふ
負け犬は「迷う」という優しい目線。「泣かない」「憎まない」「悔やまない」
でも迷うの。そこがいいの。私も迷い迷いの人生です。

093:ナイフ 落合朱美様
 ついさっきナイフは海に捨ててきたもっと強く生きていくため
いいですね。前向きな強さを感じます。言葉に甘さが一切無く、きっぱりした
決心の強さを表現しきっていると思います。

077:櫛 織田香寿子様
 草刈りて蒸れし帽とる一陣の髪を梳きゆく櫛となる風
あ、これはわかります。帽子を脱ぐと、すーっとするの。まさに微風ですら、
櫛のように感じられる。季節感もあり、日常の場面でありながら瑞々しく
本当にお題の使い方がお上手だと思いました。


今日は多めですね。このログ良かったです。
他にも「ちょい好みだな」っていうのは、たくさんありました。
今日健康診断で、採血されました。
その後具合悪くして、ローズのインセンス1本ぶんの時間を頂き
リラクゼーション部屋(に私が改造してしまった、通称ジャスミン部屋)で
15分ほど横になったら回復しました。さすがローズとジャスミンの効果。
あまりの復活の早さに周囲がびーっくり。
でもね、でもね、私仕事をさぼるのとか、責任感ないのって
どうしても我慢ならないのよ。
休んだ分だけ
他の人の仕事を引き受けちゃんと働きました。
病気とかね、いろいろ理由はあるのよね。
でも、「どうしても休んで治療に行く時間をとられる」病気と
「休んだりさぼる理由になる」病気って別でしょう。
そして、病気で仕事を休んだら絶対遊びに出るのは御法度

私自身、入院生活を送ったことは、あります。
だけど、仕事に戻ってから、それを理由にさぼったり、
入院~自宅療養の中で、遊びに出掛けたのは1ヶ月で1日だけ。
そのときは「もうすぐ復職できるから気晴らしに」と、
退院後世話になった実家で、両親と映画だけ見に行ったの。
あとは、病院から抜け出して(外出許可を書きボディーチェックされる。
で、「生理用品なんです」といって中身を見せた鞄の底板を抜いて
煙草と少額のお金を隠していたのだった)
近くの喫茶店でコーヒーを飲むことだけが愉しみでした。

すっかり元気な(治ったのかは知らない。きっと治ってない)今
ちゃんと普通に出勤し、仕事をこなし、家事をしてます。
社会復帰するということは、こういうことです。
だから、15分でも、さぼってごめんなさい。
すごく楽になり貧血も良くなりました。気遣いありがとう。

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2005/07/05

過去ログ81

010:線路 村上きわみ様
 七月の線路を踏んでゆくためにすんと結んだサンダルの紐
すんと結んだ、が印象的で、そこから読み始めたお歌です。
作者様ならではの言い回しの印象が、線路を進むというありがちな着眼を
新鮮にしていることが、佳いです。

041:迷 海神いさな。様
 迷うという裏切り迷わないという偽善あたしは何にもいらない
このログのいさな。様のお歌は、どれも印象深いのですが、このお歌が
私としては一押しです。どこかブルーな心情を込めた作風でまとめてあり、
一番のインパクトを与えてくれました。

034:背中 野口あや子様
 汚れるため生まれてきたか舌這わす背中に蓮の香がのぼりくる
泥喰らい咲く白き蓮凛として汚れはむしろ媚薬のかおり
なんてね、返歌のつもり。「汚れる」という言葉に続く美しくも官能的な世界。
そのギャップがすごく印象的です。

082:罠 唐津いづみ様
 ほほえみのかたちなしたるくちびるはとじれば慈愛ひらかばそは罠
この「慈愛」と「罠」の紙一重、素晴らしい色気を感じました。

037.汗 桜井龍斗様
 うっすらと汗に残った君を抱く セックスの後 シャワーは熱く
まぐわいの汗の匂いを留めたし 流しきれない抱擁の意味
はい、これも返歌のつもりです。「セックス」という語がいやらしくない。
むしろ健全にすら感じてしまう。飾らないのが最高の装飾。野の百合のような
ストレートな表現に惹かれました。

010 線路  美濃和哥様
 どこまでものびる線路の尖端に祖母の明治は健やかなりき
印象として、「祖母の明治」は素晴らしく巧い。これだけで、具体的な
説明を集約しきっています。環境、年代、そして線路の先端の意味深さ。

051:泣きぼくろ 五十嵐きよみ様
 泣きぼくろ似合ってしまった気まずさに思いきり濃く眉墨を引く
気まずいですか?ちょっとした衒いが何とも女性的で、その分眉を強く引き
気付いてしまった甘い「おんな」を武装する。そういう印象を受けます。


今日は、ちょこちょこ返歌もどきなど交えてみました。
仕事などの都合で留守にしている間にトラバをして下さった方がいますが
気になっているのは「サラブレッド」関係のトラバですね。
私の馬という生き物への思い入れを汲んで下さったような。

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2005/07/03

過去ログ80

096:留守 あみー様
 恋愛も空き巣も常に正確に留守を狙っていけるのがプロ
いや、留守宅に入るから「空き巣」でしょう(笑)。恋愛との対比として面白い。
入ってみて誰かいた場合、うまいこと盗むのもプロ、居直って強盗になったら
泥棒も恋もちょいと厄介です。

037:汗 牧野芝草様
 鉄棒に表皮を忘れた膕に汗がしみます五時間目です
擦り剥けてしまったのを「表皮を忘れた」というのが巧いと思います。
また、時間枠の区切りもいいですね。5時間目でなければ駄目な気がする。
それは、傷そのものの痛みより「汗がしみる」までの時間が欲しいから。
体育だったのか、昼休みのことなのか、と想像も膨らみます。

049:ワイン 五十嵐きよみ様
 くちびるを許しながらもてのひらの温度を嫌うワイングラスは
ワインのことを詠んでいるようで、実は前半の流れのように、戯れのキスをする
男女のようでもあります。これ以上はいいけど、ここから先はだめ、という線引き。
たまにブランデーと間違っているのか、すごい持ち方でワインを召し上がる方も。
その点も「ワイン」ではなく「ワイングラス」としたことで説得力があります。

048:袖 田丸まひる様
 袖だけがすり切れたシャツ着せられて髪を明るく染める土曜日
髪を染めるという主体的な行為に、シャツを「着せられる」というところが
ぐっと印象深くなりますね。自分で染めるなら「着せられ」はしないでしょう。
誰かに染めて貰っているのだろうし、美容室ではもちろんないし。
明るい毛色にしたいのは自分で、汚れないようシャツを着せるのは誰か。
さらっとした中に、ヘアカラーを御願いできるほどの人間関係を築いた
2名のやりとりが見えて、いいと思います。

037:汗(再投稿) 秋月祐一様
 雪女の汗は血のいろ まつしろなきみの乳房に歯形をつける
あちゃ。再投稿になってる。コメントは「79」ログでしたので割愛させて頂きます。
全部見てから選歌しているわけじゃないので、ときどきこういうポカをやります。
秋月様、ごめんなさい。

082:罠 飛永京様
 泣き濡れた鳩尾あたりに罠を持つ毛氈苔が根付きはじめる
しっとりとした恐怖を感じるお歌です。鳩尾に毛氈苔だけでも怖いのに、
それが「罠を持つ」となると、もっと怖い。位置的には「そういう感情」を
毛氈苔としたのだと想像できますが、苔ってもともとしっとりして、
どことなく冷ややかで、一度根付いたらなかなか除去できない印象なので
非常に上手に言葉を選ばれたのだと思います。


今日はここまで。7月初更新ですね。
先日kamome様からコメント&トラバを頂いたので、
お邪魔したら、ブログのメンテナンスで入れませんでした。あちゃ。
けっこう長いのです。半日や1日じゃ終わらないみたいなのね。

私がもたもたと80までログを見ている間に、90までたまっていました。
でも、初期に比べてゆっくりになったなあと思います。

今日もお散歩に出ましたが、例の場所へは行けません。
気温が上がって、比較的短距離で「へっへっへ」と暑そうです。
いや、私も暑いんだけどね・・・
それでも、休日買い物以外で外出するのは爽快ですし、
平日通勤以外で外出するのも爽快です♪

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2005/07/02

アップしました

先般、丹羽まゆみ様主催の「第1回わいわい歌会」
連作にしようと思い至った歌を、ひとまず(案)の状態で
本店の日記にアップすることができました。
まだ少し追加したいし、見直しもしたいので、それが終わったら
本店の短歌のところにアップしなおします。

なお、本店はとってもわかりにくい構造になっておりまして
「うららかなだけが春とは言えぬ」というところから
短歌のページにジャンプし、その後ずっと「次へ(next)」で
奥へ奥へと進んでいく、樹海のような状態なのでした・・・

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