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2005/07/23

過去ログ86

059:十字 前野真左子様
 山法師白き十字に花載せて一途に空を 空だけを見る
結句の響きがきれい。色合いもぐっと絞られて、和風の美しさですね。

087:計画 望月暢孝様
 十字架に似た電柱の根をめがけ計画的に来るユダは犬の名
後半、やや字余りですが、ユダが犬なのが面白い発想です。
電柱にマーキングしに来る犬の姿を、裏切り者に見立て、そこから
電柱をキリストの象徴である十字架に見立てていくという
結句から進んでいく流れでしょうか。

012:メガホン 水須ゆき子様
 ひとつずつメガホンを乗せ貝を乗せスチール椅子が座礁する
メガホンと貝って、かたちが似ていますね。運動会などのずらり並んだ
スチール椅子が、メガホンを貝に見立てたことで座礁するという、
発想の豊かなお歌。

夏057:制服 常盤義昌様
 鉄道の窓の鏡となる夜を自我とは丈のあはぬ制服
後半の言い回し、好きです。自我の方がきっと制服からはみ出している。
なぜなら制服って自我を征服するものだから。

051:泣きぼくろ 愛観様
 ぽっちりと寄り添うひかり今夜だけ泣きぼくろだね月と木星
これは凄い。背景が濃く、天体は輝いているのに、そんな中で形状から
「泣きぼくろ」って通常は黒いものに見立ててしまう。「寄り添うひかり」も
優しい仮名遣いでいいと思います。

070:曲 もりたともこ様
 鏡面にうつる見慣れた曲線にふたたび紅をのせる黎明
この曲線はみずからの唇の線ですね。目覚めて、化粧気のない顔から
一気に「生活している」顔に変化する瞬間。口紅って不可欠な衣類のような
そんな存在ですね。ないと、外に出られない。

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