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2005/08/03

本歌取り推敲場所

mako様の「二進法の恋」でやっています。こっちへのアップと
推敲がおくれぎみです。そういうわけで・・・

持統天皇(じとうてんのう)
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

初夏の風真白きシャツを泳がせて洗い残しの紅香らせて
きぬぎぬの朝そろそろと夏の桟 薫風ふたりのシャツを掛けます

窓越しに洗濯物はたなびいて家族の幸(さち)を身につまされる
もう微妙季節はどっち虫干しのシャツを何枚畳もうか、ねえ
白衣なら死臭がしみて落ちないわ 爽やかな時期せいぜい免ずる

柿本人麿(かきのもとのひとまろ)
あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

独り寝にブランケットを巻くうつろ不死鳥山を越えて逢わぬか
歌わない鳥の目を見る泣きそうないつか沈黙した我が恋か

長い尾を振れば届くか寝室を隔てたあなた泣いてる寝息
ぬいぐるみ擦れた鼻先キスをしてたったひとりの寝室ともに
さやさやと羽擦れの音は「逢いたい」と聞こえるようだ孤独な我に


山部赤人(やまべのあかひと)
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ

砂浜を裸足で駆けるもう九月ああ雪になる芙蓉峯愛づ
意味もなく海岸線で車停めことし最初の雪を乳房に
雪が降るわたくしが降る砂浜で待っているでしょあなたへと降る
山々が白く帽子を被るとき海は鈍色びゅうと泣くんだ
ああ寒いひとりごとなど呟いて砂浜歩く「雪だね」そうね

猿丸大夫(さるまるだゆう)
奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋はかなしき

青銅の脚持つ鹿にいざなわれ哀しい赤に染まる 泣きたい
哀しみは理由ほしがり秋深くたとえばぴいと啼く牝鹿の眼

踏み分ける落ち葉の音は我が孤独もみじよその手われにかざせよ
鹿を追い落ち葉踏みつつ山道は眼福もみじしかと見つめる
牝鹿啼く声澄んでいる秋晴れか山に迷いて紅葉を愛でる

中納言家持=大伴家持(ちゅうなごんやかもち = おおとものやかもち)
かささぎの わたせる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける

爪先が凍えて橋を渡れない夜が明ける前むかえにきてね
天の川見立てて星の砂ならば駆けよ織姫の名の優駿

銀河系その星屑のつめたさよかささぎ逃げよ踏まれることなし
天に召す織り姫聞けよ駿馬なる牡馬逝きふたり星を生むのだ
この空は凍るようだと感じいる銀河が雪になりそうに降る

安倍仲麿(あべのなかまろ)
天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

月面の翳りがちがうあのひ見た夜空あなたと故郷が欠けて
白樺の影に浮かべる三日月の細さを憂う まだかえれない

ふるさとを棄てたわたしは二度と見ぬ利尻富士など照らすあの月
この星は北斗七星あの星は憶えていない君との夜空
星座など知らぬ筈ですただ月が同じく光ることがかなしい


喜撰法師(きせんほうし)
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり

我と犬ともに暮らさん破れ壁もスイートルームのごとき幸福
けだものとして暮らそうか後ろゆびさす人だまれ わたしのお城


蝉丸(せみまる)
これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関

むじん駅「愛国」という名を持てど逢わず過ぎゆくおとことおんな
きょう囓る林檎の甘さひとりでもふたりでもない人生をゆく

参議篁=小野篁(さんぎたかむら = おののたかむら)
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人のつり舟

粛々とゆくひとり旅見送りもない寂しさを哀れむか海女
行き先をせいぜい遠く偽って消えゆく美学 捜さないでね

斜体が本歌、太字がmako様のところに出した歌、
普通の線が「今思いつき」の歌。
よってこのページは適宜更新していくことになります。
まとまったら本店の厨房を改造して、1人100首コーナーにします。

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コメント

ベティさん、こんにちは。
暑中お見舞い申し上げます♪

本歌取り、いつもご苦労さまです。
お互いに頑張って、100首完成させましょうね~。

投稿: mako | 2005/08/14 13:39

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