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2005/09/08

過去ログ98

090:薔薇 川内青泉様
 ご近所に退職したと薔薇配り三十八年を顧みぬ
 我が軌跡きっと触れない隣人にいま薔薇のとげ刺してく罠を
温かい退職のシーンです。私はきっと、誰にも薔薇を配れない。良い意味で
ふれあえる人が本当に、いないから。旧い友人から姿を消し。隠遁者になって。
充実した日々に喝采を送りたいです。

054:靴下 水須ゆき子様
 喪の家に咲く唯一の花として黒靴下の幼女ほほえむ
 伸びやかな茎だね幼女の細いうで不幸をこわすための生命
葬儀の会場はしめやかで、そんな中たしかに一番「花」なのは、まだ故人との
お別れを強く意識できない幼女の白い顔。びっくりしたように、眼をあけて。
靴下からはみ出した白い膝がまたかわいいエロスです。

080:書 五十嵐きよみ様
 いつだって話し言葉で強がって書き言葉ではさみしがるクセ
 ほんとうは言いたくないと思うこと溜めると駄目でからっぽは「無」で
気持ちを伝えるのは、難しい。言葉というものを持つ人間でさえそう。
どうやったら、本当の思いが伝わるの・・・と試行錯誤すべし。

089:巻 飛鳥川いるか様
 うるはしく渦を巻きをり春の夜の「小犬のワルツ」のト音記号は
 トゥララララぼくのしっぽをふまないでトゥラトゥラタ回れ輪舞のしらべ
かわいいです。ト音記号のぐにょ==って形がいいのでしょう。

029:ならずもの コメット様
 民飢えて餓死するおさな子ならずもの国家主席の非道な太鼓腹
 死に際に真の孤独を知るだろう太鼓にへちまなど描けるころ
じくじくと、リアルから持ってきていますね。共感度高いです。

060:影 田丸まひる様
 少しずつでも確実にひび割れていくのでしたね だれかの影で
 この疵を君と思えばうつくしく年老いたゆえとは言えねがな
ファンタジーを思わせる(ハンプティダンプティとか)一首。まひるちゃんのは
本当に好きなのが多いですよ。応援してましゅ。

029:ならずもの 逢森凪様
 愛にさえならずものさみしき想い 世界の果てはたぶんここだよ
 ぐうるりと砂場に円を描いてみる「乾杯!」叫ぼうここが世界だ
ならずものをうまく分断し、しかも自然なところがいいでしゅ・・・
ただ、とっても返歌が作れませんでした。


今日は、ここまで~いい加減眠いじゃ~

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コメント

退職薔薇の歌取り上げて下さりありがとうございました。
送別会で校長先生より38年勤めたから38本の薔薇の花束を頂きました。38本も生ける花瓶がありません。ご近所に分けようと思いました。5~6本を残し分けて歩きました。もう、3年半たったのですね。今は、家事の合間に短歌と格闘しています。娘から、なぜそんなに燃えられるの。と言われています。もう先がないと思うからでしょうね。六十路を過ぎたから、残された日々を大事にしたいのですね。

投稿: 川内青泉 | 2005/09/10 12:25

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