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2008年4月

2008/04/30

045:楽譜(萩 はるか)

私には最後の楽譜かろやかに小犬のワルツさよならピアノ

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044:鈴(萩 はるか)

鈴掛の木陰から見る空のいろ目にしみるのはかなしいしるし

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043:宝くじ(萩 はるか)

宝くじ売り場の横の和菓子屋で買うくるみもち地味なしあわせ

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042:鱗(萩 はるか)

見よう見まね我は母の娘(こ)祖母の孫 鱗まみれの手で鮭さばく

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041:存在(萩 はるか)

「ねえ、犬の毛がついてるよ」濃い色の服に縋るようなきみの存在

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2008/04/27

040:粘(萩 はるか)

うっすらと粘液のこし紫陽花の小雨に煙る葉にかたつむり

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039:王子(萩 はるか)

王様になれない王子たちの群れ世間の風は瞬時に過ぎて

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038:有(萩 はるか)

正しくはないしつけでもしあわせで犬と共有している枕

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037:V(萩 はるか)

鳥人がV字えがいて降りてくる大倉山に歓声ひびく

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036:船(萩 はるか)

ラベンダーの香を纏っても癒えきらず湯船にしずむささくれた胸

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035:過去(萩 はるか)

過去形の恋切り捨てて彼を待つマルガリータを飲み干しながら

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2008/04/26

034:岡(萩 はるか)

福岡を異邦と思う街並みも話しことばも咲く花も樹も

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033:すいか(萩 はるか)

重そうなすいかぶら下げ祖母が来る夢ばかり見た初七日あたり

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032:ルージュ(萩 はるか)

泣き疲れルージュの剥げた横顔に惹かれる きみはもう弱くない

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031:忍(萩 はるか)

忍耐は必然やがて虚無となるあなたの声を私は聴かない

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2008/04/22

030:湯気(萩 はるか)

見切り品いちご買い占め煮るジャムの湯気の甘さに満たされてゆく

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029:杖 再投稿(萩 はるか)

ひいらぎの杖を振るたび強くなる少年ハリーの穢されぬ夢

(すいません、「枝」と読み違えてとんでもない投稿をしてしまいました)

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028:供(萩 はるか)

ミシンがけされた浴衣のあじけなさ針供養する祖母なつかしむ

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027:消毒(萩 はるか)

今日もまたいやな上司の愚痴を聞くしおれた胸をワイン消毒

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026:基(萩 はるか)

いまさらの「料理の基本」厚焼きのたまごが母の味にならない

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2008/04/12

025:あられ(萩 はるか)

世間では些細なことに涙する未熟な頬を打て雪あられ

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024:岸(萩 はるか)

対岸にふみ子の歌碑を臨むとき我は歌えぬ白鳥となる

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023:用紙(萩 はるか)

画用紙を埋め尽くしゆくデザイン画いつか・いますぐ・編みたいワンピ

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022:低(萩 はるか)

春さがし犬の低さに身をかがめ犬のこころでふきのとう嗅ぐ

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021:サッカー(萩 はるか)

挙式の日照れ笑いするおとうとにサッカーピッチの風が重なる

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2008/04/10

020:鳩(萩 はるか)

人怖じをせず歩み寄る鳩の群れ ああ、もう玉蜀黍の季節か

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019:豆腐(萩 はるか)

夕飯は麻婆豆腐がいいと言うほんとはママの好物だけど

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018:集(萩 はるか)

嫌だイヤだ群集心理ひしめいてきみのしあわせひとつこわれる

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017:頭(萩 はるか)

することが多すぎて春おおらかな居眠り横目に頭痛薬飲む

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016:%(萩 はるか)

開花率何%きまぐれに停めた車窓のおく山ざくら

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2008/04/07

015:アジア(萩 はるか)

地図上のこちらはアジア、オセアニア、ともだちの住む地に赤丸を

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014:泉(萩 はるか)

ぬめる肌抱く人もなくわれひとりしがらみ棄てて浸かるモール泉

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013:優(萩 はるか)

せめて今宵みる夢だけは優しさに溢れて明日の現実に克つ

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012:ダイヤ(萩 はるか)

ダイヤより真珠が似合う祖母の手に炊き込みご飯の篦あたたかく

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011:徐(萩 はるか)

徐々に咲く憤怒の花よ突き出した棘に幾多の後悔を刺し

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010:蝶(萩 はるか)

シャネルより優雅できまぐれで可憐 蝶の耳もつ我が愛犬よ

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009:会話(萩 はるか)

会話集どおりじゃなくていいんだよ「私、行きたい、海へ」行こうか

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008:守(萩 はるか)

留守宅を烏が告げる夕暮れももう終わるからだれかお帰り

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007:壁(萩 はるか)

順番はさておき君と世を分かつ無数の壁は空色であれ

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006:ドラマ(萩 はるか)

ベランダでローズマリーが伸びている摘むゆびさきに微かなドラマ

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2008/04/01

005:放(萩 はるか)

残雪に指輪を棄てる放物線さがしてきてねまた愛してね

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004:塩(萩 はるか)

土曜日の昼餉は天塩川うどん祖母偲びつつ乾麺放つ

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003:理由(萩 はるか)

子どもには子の王国がそびえ立ち泣いた理由は夕焼けの底

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002:次(萩 はるか)

次がないさよならもある包み込んだ手のかさつきに末期を悟る

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001:おはよう(萩 はるか)

ついていい優しい嘘を探してる「おはよう」まずはそれから、あとで

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